2011 8月に読んだ本

今年読んだ本 126冊


8月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4525ページ
ナイス数:777ナイス

六月の輝き六月の輝き
「心を自由にする」なんて重い、なんて難しい、そしてなんて素晴らしい言葉なのか思い知らされました。疎ましいという感情に捉えられ、素直に娘を愛せない・・自分可愛さで、愛犬の苦しみに気づけなかった・・そして、憎むことで心を鎮め、大切な親友の姿を見失っていた・・心の弱さにとらわれることがなければ、どれほど安息か。どうやって心を自由にするか、どんなことがあって心を自由に出来ないのか。私がこよなく愛する読書とは、そういったことを幾万通りもの言葉で描かれているストーリーを読んでいるのだとしみじみ思う。大切な一冊。
読了日:08月28日 著者:乾 ルカ
神様からひと言 (光文社文庫)神様からひと言 (光文社文庫)
調子にのって刺青しているけどチキンハートで、思ったことをすぐ口をついて出しちゃって大失態の上ゲロッな異動させられても、2か月分の家賃欲しさに辞職を思いとどまった涼平。異動させられた場所は「お客様相談室」!いい加減なのか謝罪のプロなのか解らない上司に鍛えられ、クレームの嵐を乗り越え、恐喝まがいの言いがかりも痛快にかわし、コチコチのこだわり頑固おやじの店主とも良い関係を築けるまでに成長した涼平の姿を読むのは心地よい。そして、自分の分身のようなリンコの気持ちを斟酌し、地道に探し続けた涼平が格好いいよ〜。
読了日:08月26日 著者:荻原 浩
虹色ほたる―永遠の夏休み虹色ほたる―永遠の夏休み
夏休みの少年達の冒険譚かなぁ。活字大きいし、楽しい児童書かな。なんて思いながら気軽に読み始めたら・・・とんでもない。深かったです!一か月くらい特別な場所で遊んでくる、ぐらいの感覚でいたユウタが、サエコに出会い、限りある時間の中で人と関わるというのはどういうことなのかを考えはじめ、そして限りある命どう生きるべきか、悩むサエコの選択に息をつめて読みふけりました。500円がまだ硬貨ではなくお札だった頃の自然にあふれた村。子ども達の様子がすごく活き活きしていて、私も自分の小学生時代にタイムスリップしていました^^
読了日:08月24日 著者:川口 雅幸
at Homeat Home
少し歪んだ形の家族の話、4話。まあ、家族の形に正解というものは無いとは思うけれど、浅はかな私は、所謂昔のホームドラマに出てくるような食卓風景に憧れてしまっていて、そこの価値観の違う夫や娘に「うざい」と思われているみたいですが。【at Home】自分の家のようにくつろげるさま。自分の家がくつろげるのか?っていうツッコミをしたくなりますが、この話は「のように」っていう所がポイント。【共犯者たち】上辺の理想の形の家庭が本当にいいのか?形はどうあれ、どっちのせいなんかじゃなく「家族は共犯者」という言葉が印象的。
読了日:08月22日 著者:本多 孝好
本日は大安なり本日は大安なり
辻村さんの作品は、女子の心の暗部を赤裸々に描かれるのが逆に辛くて、手に取るのがためらわれたのだけど・・・読み始めたら止まらない。面白い〜いや、やっぱり最初は妃美佳の気持ち考えて怖かったな。「それは、妃美佳を消してしまう殺人です」・・・ぞくぞくしました。このお話は自分の存在意義の確認ですね。それにつけても映一さんが格好いい!私も理知的なメガネ男子が大好き。やっぱり辻村さんの描く男子は懐が深く、いい男が多い!!私も、もう一度結婚式をあげたくなったなぁ。さて、夫は私の手を真っ先にとってくれるかしら(*_*;
読了日:08月20日 著者:辻村 深月
麒麟の翼 (特別書き下ろし)麒麟の翼 (特別書き下ろし)
[微妙にネタバレ]私はこのような行動をとり、そして最期を遂げられるだろうか‥自信ないなあ。無かったことに‥都合の悪いことは無かったことにして頬かむりしていたい‥っていう自分が、心の中に潜んでいることは否定出来ない。逃げて得た束の間の安息は、いつしか追い詰められるとわかっているのに。 いろんな想いを噛みしめながら、あっと言う間に読みました。ミステリーとしてだけでなく、生き様について考えさせられる本だと思います。翼は未来に向けて。逃げるためじゃない。未来に向けて道は始まっているのだから。
読了日:08月18日 著者:東野 圭吾
神様のカルテ 2神様のカルテ 2
ぼとぼとと涙があふれる。365日24時間診療の病院で、殺人的な日常を暮らしている一止。だが、その世界は優しさにあふれている。漱石に傾倒しているその不思議な口調は、まっすぐな気性と揺らがない意志を表しているかのようで、信じていいのだという安心感を与える。まさにお医者様にぴったり。「良心に恥じぬということ」を報酬にしているからこそ、オーバーワークの日常をこなしていける。そう、この本は「医師の話をしているのではない。人間の話をしているのだ!」
読了日:08月17日 著者:夏川 草介
6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録  角川SSC新書 (角川SSC新書 130)6枚の壁新聞 石巻日日新聞・東日本大震災後7日間の記録 角川SSC新書 (角川SSC新書 130)
あの時・・私達はTVにかじりついて未曽有の災難を見聞きした。だが、まさに災中の方たちには、自分達が一番知りたい情報を入手する手立てはなかったのだということをまざまざと突きつけられる。空港を飲み込む津波やコンビナートの火災、そして原発事故。全国に向けて発信されるそれらの情報とは別の情報が知りたい。個人の安否そして生活していた地域の被災状況。時刻までが解らない!!不安感に押しつぶされることなく、「壁新聞」という形で発信しつづけた方々に本当に頭が下がります。
読了日:08月16日 著者:
謎解きはディナーのあとで謎解きはディナーのあとで
とっても話題になっていたのでと〜っても楽しみにして図書館予約して、たくさんの読友さんの感想もあえて全く見ずにた〜くさん待って読んだ本・・・期待が大きすぎ?本屋さんのポップに踊っていた執事の決めゼリフも2回目以降はちょっと切れ味が弱かったかなぁ・・残念(>_<)コミカルな口調も類型的に感じてどこかで聞いたようなお定まりの展開・・残念(>_<)実はこの執事、本庁から特命でやってきた敏腕刑事なのでは?お嬢様とキュンとする関係になっていくキュンキュンセリフが飛び出すのでは?と、最後まで期待したけど、残念(>_<)
読了日:08月14日 著者:東川 篤哉
夜市夜市
読み始めた時の雰囲気は、やっぱりなんだか怖くて・・でも、それは私が持つホラーの怖さとは違いました。ビックリ心臓バクバクって怖さではないけど、ひたひたと不安感が押し寄せてくる感じで「やっぱりホラーだよ、これ」って思いながら読んでた、最初はね。でも、後半は「怖い」って感じじゃないですね。思い浮かぶ言葉は「哀しい」シンとした透明な空気感だから、哀しい気持ちがすーっと心に沁みてきます。表題作とは別の『風の古道』も同じような印象で好きです。此方の方が、より好みかも・・
読了日:08月11日 著者:恒川 光太郎
白銀ジャック (実業之日本社文庫)白銀ジャック (実業之日本社文庫)
どういう因果か真夏にゲレンデの話を読む・・・雪が溶ける前に読みたいと慌てて予約したはずなのに、溶ける前どころか、もう真夏だぁ!(涙)でもでも季節は真逆でも、読んでいる頭の中は白いゲレンデ。バッチリ楽しみました。フカフカの雪の中を滑ったことはないし、ボードもしたことないけど、久しぶりにスキー場に行ったような気分になれました^^ちょっと現実離れしている?!って感じの事件のような気もするけど、それだけスキー場は苦戦しているってことかな。重厚さには欠けるかもしれないけど単純に楽しかった〜
読了日:08月08日 著者:東野 圭吾
風にもまけず粗茶一服風にもまけず粗茶一服
遊馬は、大きい男になったなぁ。『雨にも・・』の前半のようなヘタレな感じは全くない。いや、修行だってしてるんだか・・?って感じだし、ジジイとか呼んじゃうし、大根しかちゃんと作れなかったけど、でも、どんなことあってもちゃんと生きていく力があるよね。今回は、宣さんとか、カンナとか物凄く存在感があって、遊馬の話から離れても楽しめました。 それにつけても、この表紙!なぜだ?何故ここにこの写真?この顔?内容にそぐわないこと、この上なし。引くよね〜(>_<)
読了日:08月06日 著者:松村 栄子
カササギたちの四季カササギたちの四季
『何がいいとか、悪いというわけではなく・・この世界のいろいろな出来事が、なるべくたくさんの人が幸せになるほうへ向かってくれたらいいな』この言葉が全てを表していますね。〈春〉の話はなんだかご都合主義で、ん?って感じだったのですが、最後、〈冬〉で完全にやられました。豪傑な住職が深い愛情を不器用に示すっていうのも、いわゆる「お約束」って感じなんだけど、それを、いつもの中途半端な華沙々木の推理と日暮のフォローで、さすが読ませますね〜初めマザコンかい!?と思った日暮も、鼻水たらして泣いていた華沙々木も、優しいね^^
読了日:08月04日 著者:道尾秀介
相棒 (PHP文芸文庫)相棒 (PHP文芸文庫)
これって・・・龍馬ファンへのプレゼント本ですか?土方ファンとしてはどうなんでしょう・・・?と気になっちゃう位、一方的に龍馬が魅力的に描かれていません?『相棒』ってタイトルなのにいいのかなぁ。と、龍馬大好きの私はニマニマしながら、心配しちゃいました。最後沖田の所に登場は、ちょっと、とってつけた感がありましたが、龍馬には、本当に世界の海を経験させてあげたかったから、こんな形になったら理想だよね。。。っていう夢ですね。
読了日:08月01日 著者:五十嵐 貴久

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