DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  今週の試合日程(3月27−4月1日)

示範競技(シボムキョンギ)】…オープン戦
3月27(火),28日(水) : サムソン−現代(水原)、SK−ハンファ(大田)、キア−ロッテ(釜山・社稷)、LG−トゥサン(馬山)
3月29(木),30日(金) : LG−サムソン(大邱)、現代−SK(仁川・文鶴)、ハンファ−キア(光州)、ロッテ−トゥサン(馬山)
3月31(土)、4月1日(日) : トゥサン−サムソン(大邱)、キア−現代(水原)、LG−ハンファ(大田)、SK−ロッテ(釜山・社稷)
※全試合13時開始  

(示範競技:3月25日現在) 

       試合 勝 敗 分 勝率  差
1.ロッテ   7   6   1  0 .857  −
2.SK    6   5   1  0 .833   0.5
3.ハンファ  7  4   3  0 .571   2.0
3.キア    7  4   3  0 .571   2.0
5.トゥサン  6  3   3   0   .500 2.5
6.サムソン  7   2  5  0  .286  4.0
6.現代    7   2  5  0  .286  4.0
8.LG    7    1    6   0  .143 5.0

  第1回 サムソンライオンズ

【2006年成績】 
73勝50敗3分 勝率.593 公式戦、韓国シリーズ優勝

 2005,06年と球団史上初の韓国シリーズ連覇を達成し、黄金時代を迎えているサムソンライオンズ。21世紀になって6年間の間に5度の韓国シリーズ出場、3度の優勝と、実績は申し分ない。2005年から就任したソン・ドンヨル監督(元中日)も、名将への道を確実に歩んでいる。2007年シーズンは3連覇がかかるが、その道のりは決して平坦ではないように思える。
 
 その最大の要因は、打線を中心とした主力の高齢化だ。主力打者の多くが30歳以上で、今年38歳を迎えるベテランのヤン・ジュンヒョクが打線の中心となることに代わりはなく、25歳以下の若手でレギュラー取りが見込まれる有望な選手が投打ともにあまり見当たらない。かといって、チーム最大の弱点となっていた長打力不足を解消する補強は行われなかった。
 
 韓国シリーズ連覇の原動力となった投手力も不安がある。エースのペ・ヨンスが1月に受けたひじの手術の影響で今季はほぼ絶望で、2006年は12勝でチーム最多勝だった外国人投手ハリッカラがLGへ移籍してしまったものの、依然として層は厚い。先発は2年目の外国人投手ブラウン(元阪神)、新外国人ウィルソン、チョン・ビョンホ、イム・ドンギュ、アン・ジマンなどが起用されると思われる。頭数はそろっているものの、ペ・ヨンスの代役としてエースになれる人材はいないのが悩みだ。
 中継ぎは2006年ホールドの新記録を達成した韓国ナンバー1セットアッパー、クォン・オジュンや、かつてエースとして君臨しながらここ2年は故障などで期待に応えられていないイム・チャンヨン、ひじの故障から復活の兆しがある速球派左腕クォン・ヒョクなどが軸となる。さらに抑えには2006年47セーブの新記録を達成した韓国ナンバー1ストッパー、オ・スンファンが控えているのが強みだ。先発陣を6回まで引っ張ったあと、クォン・オジュン、オ・スンファンの2人を軸とした継投で、最少得点差を守りきる展開が2006年同様勝利の方程式となるであろう。

 打線は2006年チームでただ1人打率3割を記録し、今季韓国史上初の通算2000本安打まであと54本と迫ったヤン・ジュンヒョクが軸となる。長打力は衰えが見られるが、ヒットを量産する打撃技術は健在だ。また、キャンプや練習試合で好調だった通算294本塁打の長距離砲シム・ジョンスの復活にも期待したい。2006年は肩の手術でほとんど棒に振り、わずか1本塁打しか打てなかった。また、クリーンアップ候補としては確実性を備えた韓国屈指の外野手パク・ハニ、2006年は故障と不振で苦しんだ若手の大型内野手チョ・ドンチャンなどの名前があがる。
 守備面では、正捕手は今季もチン・ガビョンが不動で、打力もあり投手陣の信頼も大変厚い。年俸5億ウォンと捕手としては最高額だ。内野の守備の要は韓国ナンバー1ショートのパク・チンマンで、打線でも6番前後を打ち重要な役割を任されている。各ポジションに実力者がそろい、内野のキム・ジェゴルなど控え選手も質が高いが高齢化が進んでおり、レギュラーを狙える若手選手が大変少ないのが悩みだ。
 2006年のサムソン打線は打率.255(4位)、73本塁打(5位)だったが、得点は538点と現代に次いで2位と、機動力とつながりを重視したチャンスに強い打線だった。シム・ジョンスの復活以外に長打力不足解消が見込みにくい現状では、今季もその戦い方を踏襲すると思われる。

 示範競技(オープン戦)は3月25日現在1勝5敗と低調な成績に終わっているものの、ソン・ドンヨル監督が掲げる「守りの野球」が機能すれば、今季も優勝争いに加わるであろう。だが韓国シリーズ連覇したことによる選手たちのモチベーションの低下、レギュラーが入れ替わらないことによる沈滞感などとどう向き合っていくか。3連覇に向けての最大の敵は、意外と内側にもいるのかもしれない。

【本拠地】
大邱(テグ)市民運動場野球場
大邱広域市(ソウルから高速特急KTXで1時間半程度、高速バスで4時間前後)、KORAIL大邱地下鉄1号線大邱駅より徒歩10分少々
(文責:ふるりん