DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   キア5連勝  SK、ウリは5連敗  本塁打王シム・ジョンス(サムソン)、2打席連続本塁打

サムソン 8−6 SK  (仁川・文鶴)
(勝)オバミュラー 1勝  (セーブ)チャ・ウチャン 1勝2S (敗)チェ・ビョンニョン 1敗
本塁打) サムソン : シム・ジョンス 2,3号、パク・ハニ 1号
 サムソンは2回表SKの先発チェ・ビョンニョンから4番シム・ジョンスの本塁打で1点を先制したが、SKはその裏サムソンの先発の新外国人オバミュラー(元オリックス)から1番チョン・グヌのタイムリーで2−1と逆転した。サムソンは3回表相手のエラーや3番の新外国人クルーズのタイムリー、シム・ジョンスの2打席連続本塁打となる3ランで5点を奪い、6−2と逆転した。SKは4回裏チョン・グヌの犠牲フライで1点を返すが、サムソンは5回表1番パク・ハニの本塁打で1点を追加した。
 SKも5回裏5番チェ・ジョンボムのタイムリーで7−5と2点差に迫るが、サムソンは6回表6番パク・チンマンのタイムリーで1点を追加し、チェ・ビョンニョンをノックアウトした。SKは6回裏チョン・グヌとモ・チャンミンダブルスチールで1点を返すが、その後はキム・ムンス、アン・ジマン、チャ・ウチャンなどのリリーフ陣に抑えられ、サムソンが3本の本塁打構成で乱打戦を制した。
 チェ・ビョンニョンが6回途中8失点、オバミュラーが5回6失点と両チームの先発がピリッとせず乱打戦となったが、リリーフ陣はしっかりと抑えた。サムソンでは2007年の本塁打打点王のシム・ジョンスが2本塁打4打点、パク・ハニが3安打1本塁打1打点と活躍。5連敗となった王者SKでは、チョン・グヌが2安打3打点だけでなく盗塁も2つ成功させる活躍だった。
 

トゥサン 2−3 ロッテ  (釜山・社稷
(勝)チャン・ウォンジュン 1勝  (セーブ)イム・ギョンワン 3S  (敗)イ・ジェヨン 1敗
 トゥサンは4回表ロッテの先発チャン・ウォンジュンから3番イ・ジョンウク、4番キム・ヒョンスの内野ゴロ2つの間に2点を先制し、先発ランデル(元読売)も好投を続ける。だがチャン・ウォンジュンはこれ以上得点を与えず、ロッテは6回裏1番チェ・マンホのタイムリーで1点を返すと、7回裏トゥサンの2番手イ・ジェヨンから7番イ・ウォンソク、9番パク・ナムソプのタイムリーで3−2と逆転した。
 ロッテは8回以降キム・イリョプ、イム・ギョンワンの継投で1点差を守り逃げ切り、示範競技3連勝と勢いに乗っている。チャン・ウォンジュンは7回2失点、8奪三振の好投で左のエースとして大きく成長した姿を見せた。トゥサンはわずか2安打しか出ず、兵役から復帰し中継ぎの柱として期待されているイ・ジェヨンも打たれてしまうなど、どうも元気がない。だがチン・ヤゴプ、コ・チャンソン、イ・ヨンチャンなどの新人たちはリリーフで好投した。

(7回2失点と好投したチャン・ウォンジュン。)


ハンファ 8−2 LG  (ソウル・蚕室)
(勝)キム・ペンマン 2勝  (敗)オクスプリング 3敗
 LGは1回裏ハンファの先発チョン・ミンチョル(元読売)から4番チェ・ドンスの犠牲フライで1点を先制した。ハンファは2回表LGの先発オクスプリング(元阪神)から8番チェ・ヨノの2点タイムリーで逆転すると、チョン・ミンチョルも4回1失点と好投した。ハンファは6回表5番キム・テワンの併殺打の間に1点を追加すると、8回表LGの3番手キム・ジェヒョン、4番手シム・スチャンから相手のエラーや4番キム・テギュン、7番ハン・サンフンのタイムリーで5点を追加し試合を決めた。
 ハンファはキム・ペンマン、アン・ヨンミョンのリリーフ陣が相手に得点を許さなかったが、LGは9回裏ハンファの4番手の新外国人トーマス(元北海道日本ハム)からチェ・ドンスのタイムリーで1点を返したが、反撃もここまでだった。ハンファでは示範競技好調の主砲キム・テギュンが、この試合でも3安打1打点と活躍。LGは先発オクスプリングは6回3失点と悪くはなかったが、その後エラーなどで差を広げられてしまった。2007年4番として活躍したベテランのチェ・ドンスは、この試合でも2打点と今季も打線の軸として期待される。
 

ウリ 0−1 キア  (光州)
(勝)ユ・ドンフン 1勝  (セーブ)チャン・ムンソク 1S  (敗)イ・ヒョンスン 2敗
 新球団ウリの先発の新外国人スコービーは、2007年在籍した古巣を5回を無失点に抑えた。だがウリ打線はキアの先発ヤン・ヒョンジョンに5回まで無安打無得点に抑えられた。投手戦となったこの試合は、キアが7回裏ウリの2番手イ・ヒョンスンから2番の新外国人バルデスのタイムリーで1点を先制し均衡が破れた。キアはユ・ドンフン、ソン・ヨンミンも好投し得点を許さない。
 ウリは9回表1死満塁と逆転のチャンスを作ったが、今季に復活をかけるチャン・ムンソクの前に6番ファン・ジェギュン、7番ソン・ジマンが連続三振してしまい、キアが何とか逃げ切り5連勝で示範競技首位を守った。かつて中継ぎとして活躍し兵役から復帰したサイドハンド右腕のユ・ドンフンが、示範競技5試合で無失点と好投を続けている。投打共に調整不足の感が強い新球団ウリはこれで5連敗で、示範競技とはいえ今後に不安を感じさせた。

(示範競技:3月21日現在) 

        試合  勝  敗  分  勝率  差
1.キア    12   9    3  0   .750    0
2.サムソン   12    7   3  2    .700   1.0
3.ロッテ     11   7   4    0   .636    1.5
4.ハンファ  12    6    5    1   .545    2.5
5.LG     11    4  6   1   .400  4.0
6.トゥサン   9    3   5   1   .375   4.0
7.SK     11     3   8  0  .273  5.5
8.ウリ     10    2    7    1   .222  5.5

  北京五輪期間中はプロ野球を中断へ

 KBO(韓国野球委員会)は21日、世界最終予選で韓国代表チームの北京五輪予選出場が決定したことを受け、五輪期間前後の8月1日から25日までプロ野球公式戦を中断することに決定した。北京五輪の野球競技は8月13日から23日まで、韓国と開催国中国、キューバアメリカ、カナダ、日本、台湾、オランダの8カ国が参加して行われる。
 現行の試合日程では、8月3日にオールスター戦(仁川・文鶴)が行われるため、8月1日から4日までオールスター戦の中断期間となっていて、それを25日まで伸ばす格好となった。以前にも韓国では初めてプロ選手が出場した2000年9月のシドニー五輪では21日間、2002年9-10月のの釜山アジア大会では12日間公式戦が中断されたことがあったが、北京五輪での中断期間25日間はこれまででは最長となる。8月5日から24日まで予定されている試合は中断期間が終了した後に行われると思われるが、その試合日程は未定である。

  第3回 ハンファイーグルス

2007年成績 : 67勝57敗2分 公式戦3位 プレーオフ進出

 2004年オフの名将キム・インシク監督就任前まで、ハンファは数年間優勝争いに加わることはなかったが、2005年から07年まで3年連続ポストシーズンに進出し、ベテランと若手が融合したキム・インシク監督の手腕が光る好チームになっている。今季も短期決戦に強いキム・インシク監督の指揮の下、9年ぶりの韓国シリーズ優勝なるかが注目される。投打共に若手が成長すれば、王者SKや2007年プレーオフで3連敗したトゥサンに引けを取らない戦力となる。
 

投手】 

[先発] リュ・ヒョンジン△、チョン・ミンチョル(元読売)、ソン・ジヌ△、ユ・ウォンサン、ユン・ギュジン
[中継ぎ] ヤン・フン、アン・ヨンミョン、チェ・ヨンピル、ムン・ヨンミン△、キム・ペンマン
[抑え] トーマス(元北海道日本ハム)※△、ク・デソン(元オリックス)△
(※は新加入、△は左腕)

 2007年は8球団中3位のチーム防御率3.54と、それなりに投手陣は安定していた。2006年高卒新人ながらタイトルを総なめにしたリュ・ヒョンジンは2年間で35勝し、韓国代表でもエース格に成長するなど、すっかりチームの顔となった。今季も故障さえなければ15勝前後が見込まれる。ベテランのチョン・ミンチョルも技巧派に転向し、200勝投手ソン・ジヌも42歳となる今季は先発として復活をかけた1年となる。期待の若手ユ・ウォンサンは、高校時代リュ・ヒョンジンよりも評価が高く、成長著しい今季はその進化を発揮してほしい。
 中継ぎ陣は先発陣と比べると層が薄い。だが先発もロングリリーフもできるヤン・フン、アン・ヨンミョンなど便利なタイプが多い。守護神ク・デソンがひざの手術のリハビリのため復帰が未定で、日本プロ野球で主に中継ぎとして活躍した新外国人トーマスを当分の間は抑えにすると思われる。決して台所事情は楽ではないため、キム・インシク監督の手腕が問われる。
 

攻撃

[ベストオーダー]
1.キム・スヨン(右)△
2.イ・ヨンウ(左)△
3.クラーク(中)△※
4.キム・テギュン(一)
5.イ・ボムホ(三)
6.キム・テワン(指)
7.イ・ドヒョン(捕)
8.ハン・サンフン(二)△
9.キム・ミンジェ(遊)
(△は左打者、※は新加入)

 2007年のハンファ打線は、キム・テギュンイ・ボムホ、クルーズの中軸への依存度が高く、この三人が抑えられてしまうと機能しなくなってしまうことが目立った。さらに打率3割、22本塁打をマークしたクルーズがオフに自由契約となってしまい、サムソンへ移籍した。その穴は同じ左打者のクラークで何とか埋めようとしている。さらにイ・ドヒョン、イ・ヨンウなどかつての主力だった打者たちが復活すれば、ピングレ(ハンファの前身)が黄金期を迎えていた1990年代前半以上の「ダイナマイト打線」が完成する。若手の長距離砲キム・テワンにも期待したい。
 その一方2007年はチーム盗塁数が8球団最小の48個と機動力不足だった。今季も快足の選手が他球団と比べて少ない。打線は水物とよく言われるため、ホームラン連発の大爆発か、まったく音なしかの極端な試合展開が多くなりそうである。代走・守備専門でもいいので足のスペシャリストの台頭が望まれる。


本拠地
 大田・ハンバッ運動場野球場
 
 大田(テジョン)は韓国中西部の地方都市で、ソウルから南部への鉄道・高速道路の分岐点と交通の要所にあり、1970年代以降ハイテク産業が発展し人口140万人を超える韓国第5の都市に成長した。ハンファは1986年の球団創設(1993年までピングレイーグルス)以来大田を本拠地としているため、球場には地元の年季の入った熱心なファンが集まり、1万3000人収容と小ぢんまりとした場内はアットホームな雰囲気に包まれている。外野センターバックスクリーンには小さなオーロラビジョンとスコアボードがあり、2008年から3塁側内野席上段にも小さなスコアボードが設置された。

(球場の外壁には主力選手たちの写真が飾られている。)


(内野席入り口前には、チームの顔ソン・ジヌの大きな写真が。)


(1塁側内野席より3塁側を望む。)


(5回終了後のグラウンド整備の間には、ファンたちがステージに上がって参加するイベントが行われる。)


(応援団長がボードを見せて、応援歌をファンたちに歌ってもらう。)


[交通アクセス]
Korail、大田地下鉄1号線大田駅からバス(111-1番など)、タクシーで10分程度。
大田地下鉄1号線・中央路(チュンアンノ)駅から111番、711番バスで10分程度。 

(文責:ふるりん)