5位サムソン、首位キアにサヨナラ勝ち 2位SK、3位トゥサンに逆転勝ちし7連勝
キア 2−3 サムソン (大邱)
(勝)チョン・ヒョヌク 7勝4敗6S (敗)クァク・チョンチョル 5勝3敗2S
(本塁打) キア : キム・サンヒョン 32号
キアは1回表サムソンの先発ユン・ソンファンから4番チェ・ヒィソプの犠牲フライで1点を先制し、4回表5番キム・サンヒョンの本塁打王争い独走となる32号ソロで1点を追加した。キアの先発ヤン・ヒョンジョンは好投を続けていたが、サムソンは6回裏3番カン・ボンギュの内野ゴロの間や、5番パク・ソンミンの犠牲フライで2−2の同点に追いついた。ユン・ソンファンは6回2失点で降板し、サムソンは7回から2番手クォン・ヒョクをマウンドに送った。ヤン・ヒョンジョンも8回2失点で降板した。サムソンは9回裏1誌1,2塁とサヨナラ勝ちのチャンスを作ったが、ここは2番手クァク・チョンチョルが何とかしのぎ、試合は延長戦に突入した。
キアは10回表サムソンの3番手チョン・ヒョヌクから2死満塁のチャンスを作り、打席にはチーム史上最多となる112打点を記録しているキム・サンヒョンが立ったが、内野フライに倒れた。すると5位サムソンは10回裏4番チェ・ヒョンウのタイムリーでサヨナラ勝ちし、4連敗から脱出し試合のなかった4位ロッテと0.5ゲーム差に迫った。クォン・ヒョクと黄金リレーを形成するチョン・ヒョヌクが7勝目。首位キアは連勝が5で止まり、公式戦優勝、韓国シリーズ出場へのマジックは、2位SKがトゥサンに勝ったため9のままとなった。
SK 11−5 トゥサン (ソウル・蚕室)
(勝)ユン・ギルヒョン 5勝3S (セーブ)チョン・ビョンドゥ 7勝4敗7S (敗)ホン・サンサム 9勝5敗
(本塁打) SK : アン・ギョンヒョン 1号
トゥサンは1回裏SKの先発ソン・ウンボムから5番チェ・ジュンソクへの押し出しの四球で1点を先制し、3回裏4番キム・ヒョンス、チェ・ジュンソクのタイムリーで2点を追加した。SKは5回表トゥサンの先発クム・ミンチョルから1番パク・チェホンのタイムリーで1点を返すと、トゥサンは6回から継投策に出た。しかしこれが裏目に出てSKは6回表、トゥサンの3番手ホン・サンサムから途中出場の6番アン・ギョンヒョンのSK移籍後初本塁打となる2ランで同点に追いついた。さらに代わったトゥサンの4番手キム・サンヒョンから2番パク・チェサン、3番チョン・グヌのタイムリーで3点を勝ち越し逆転した。トゥサンは8回裏SKの5番手チョン・ビョンドゥから相手のエラーと代打ミン・ビョンホンの犠牲フライで2点を返し、6−5と1点差に迫った。
2位SKは9回表トゥサンの5番手イ・ヨンチャン、6番手の大卒新人ユ・ヒィグァンから9番キム・ガンミン、代打イ・ジェウォンへの押し出しの四球、パク・チェサン、4番キム・ジェヒョンのタイムリーで5点を追加し、最後はチョン・ビョンドゥが抑え逆転勝ちし、7連勝となった。この勝利でサムソンに敗れた首位キアの優勝マジックは9のままであり、3位トゥサンとのゲーム差を3.5に広げた。5回裏に3番手として登板したユン・ギルヒョンが、その直後の味方の逆転により5勝目。打線ではチョン・グヌが3安打2打点、7番ナ・ジュファンが3安打と活躍。3位トゥサンは継投ミスで痛い一敗を喫し、2位SKとの差を広げられてしまった。打線では7番イ・ウォンソクが3安打と活躍。
(5回表アン・ギョンヒョンが古巣相手にSK移籍後初本塁打を打ち、SKが同点に追いつく。)
ヒーローズ 6−7 ハンファ (大田)
(勝)トーマス 1勝5敗10S (敗)ソン・シニョン 2勝2敗3S
(本塁打) ヒーローズ : ブランボー 25号
ヒーローズは1回表ハンファの先発ヤング(元オリックス)から3番イ・テックンのタイムリーで1点を先制し、ハンファも1回裏ヒーローズの先発キム・スギョンから3番イ・ボムホのタイムリーで同点に追いついた。ヒーローズは2回表6番ブランボー(元オリックス)の7月22日以来43日ぶりとなる25号本塁打で1点を勝ち越したが、ハンファは3回裏5番イ・ヨンウへの押し出しの四球、6番イ・ドヒョンのタイムリーで4−2と逆転した。ハンファは6回裏ヒーローズの2番手キム・ヨンミンから2番チュ・スンウのタイムリーで1点を追加したが、ヒーローズは7回表ハンファの5番手ヤン・フンから4番クラークのタイムリー、1塁と3塁走者のダブルスチール成功で5−5の同点に追いつき、8回表イ・テックンの犠牲フライで6−5と逆転した。
最下位ハンファは8回裏ヒーローズの6番手ソン・シニョンからイ・ヨンウの2点タイムリーで7−6と再び逆転し、最後は6番手トーマス(元北海道日本ハム)が抑えシーソーゲームを制した。打線では逆転決勝タイムリーを放ったイ・ヨンウが3打点と活躍。最下位相手に痛い星を落とした6位ヒーローズは、キアに勝った5位サムソンとのゲーム差が1に開き、混戦の4位争いで一歩後退した。
■
(9月3日現在)
試合 勝 敗 分 勝率 差
1.キア 118 72 42 4 .610 −
2.SK 120 68 47 5 .567 5.0
3.トゥサン 117 63 52 2 .538 8.5
4.ロッテ 122 60 62 0 .492 14.0
5.サムソン 119 58 61 0 .487 14.5
6.ヒーローズ 115 55 59 1 .478 15.5
7.LG 119 50 66 3 .420 22.5
8.ハンファ 118 39 76 3 .331 33.0
(注 : 順位は勝率順。勝率は勝ち数を試合数で割ったもので、引き分けは敗戦と同じとみなす。)
飲酒問題を起こしたチョン・スグン、再び無期限失格選手に
4度目の飲酒問題を起こしたとして、1日ロッテを退団となったチョン・スグン外野手(32)に対して、KBO(韓国野球委員会)は3日賞罰委員会を開き、2009年6月解除された処分と同じ無期限失格選手とした。当初はこれより一段階重い永久失格の処分が下されるのではないか、と予想されていたが、今後プロ野球界への復帰の可能性がある以前と同じ処分にとどまった。
事件は8月31日夜、釜山市内のホフ(韓国では一般的なビールを中心とした酒類を出す飲食店)でチョン・スグンが酒を飲み上半身裸で暴れ、従業員に罵声を浴びせたという通報が警察にあったことから起こった。警察が現場に到着した時、チョン・スグンは店を去っていた。チョン・スグン本人はその店でビールを少し飲んだだけで、事実無根であると主張し、通報した従業員は、チームが4位争いをしている最中に酒を飲みに行くチョン・スグンが憎くて嘘の通報をした、と後で述べた。これらの事件の経緯はロッテが報告書としてKBOに提出し、それを元にチョン・スグン本人を召集して言い分を聞き、賞罰委員会を開き今回の処分を決めた。
事件の真相がはっきりしないことと、ホフの従業員が嘘をつくという本人も予想だにしないまさかの事態に陥り、精神的に参っていることもあって、KBOが温情を示し無期限失格選手にとどめたと思われる。ただし、野球場の外で物議をかもす行動をしたことは事実であり、規約に抵当するため処分を下した。またプロ野球界を去ることになった問題児チョン・スグンの今後の去就が注目される。かつては4年連続盗塁王(1998−2001年)にも輝いた快足の外野手、チョン・スグンのプロ15年間の通算成績は1544試合に出場、打率.280、1493安打、24本塁打、450打点、474盗塁(歴代3位)。
〔チョン・スグンの過去の飲酒問題〕
1度目(2003年2月) : トゥサンの春季キャンプ先のハワイで、飲酒後在米同胞に乱暴を働き現地の裁判所で450ドルの罰金刑を受ける
2度目(2004年7月) : 釜山で飲酒後、一般市民にバットを振り回し逮捕され、最初罰金刑とKBOにより7試合の出場停止処分を受けたが、後で飲酒運転も発覚し、無期限出場停止処分(20試合で解除)と更なる重罰が科されることになった
3度目(2008年7月) : 釜山で飲酒後、駐車場の警備員相手に暴行を働き警察に身柄を拘束され、KBOにより無期限失格処分を受ける、ロッテからの要請もあり2009年6月に解除され8月に1軍復帰
(文責 : ふるりん)