おでかけ

神戸元町兵庫県庁の北側にさりげなく「竹中大工道具館」がある。勤めているときは毎月、その建物の前を通っていたのに、ついぞ入ることはなかった。

今回、「数寄屋大工−美を創造する匠−」展が開かれていることを知り、今日行ってきた。残念だが撮影禁止。パンフと図録の写真をアップする。

展示構成は次のようになっている。

第一章 数寄屋解体新書
第二章 数寄のディテール
第三章 数寄屋大工列伝

入館してすぐのフロアに実物大の茶室構造模型があり、中に上がれるようになっている。大徳寺玉林院蓑庵(さあん)三畳中板台目切りの茶室がモデル。

構造がよく分かり、壁の作り、床柱、相手柱、中柱の材のバランスが大事と言うことも実感でき、大変おもしろかった。

広くはないスペースによく考えられた構成で、「一に材料、二に格好、三に仕事」といわれる数寄屋建築でよい材木、銘木を揃えることの苦労を伝え、その具体的な材木、表具、建具等の展示が興味を引き出してくれる。太鼓襖というのも知って、先日、夜咄の茶事の勉強会に参加したときに手燭の灯りが映ってという説明はこの襖を使ってこそかと実感する。

数寄屋大工列伝では、木村清兵衛、北村捨次郎、北村伝兵衛、笛吹(うすい)嘉一郎、中村外二、平田雅哉、水澤文次郎等の名匠たちの紹介。茶人でもあった笛吹(うすい)嘉一郎の手製の楽茶碗、茶杓の展示。「大工一代」という自伝を出版し、それが森繁久弥主演で映画化(大工太平記)された平田雅哉。

帰りに喫茶店による。いや、パン屋さんというべきか、2階、3階が喫茶スペースになっているのだがおしゃれなのだ。頼んだ抹茶なんとかというパン。抹茶の入ったパン生地の真ん中に抹茶入りののカスタードが乗り、周囲を小豆や金時豆やインゲン豆の甘煮が取り巻いている。

こんなかわいい2階の喫茶スペース。1階でパンを選び、コーヒーを入れてもらって自分で運ぶ。端にトースターがおいてあって温めて召し上がれと心憎いさりげない配慮。コーヒーは紙コップで250円。私のいただいたパンは240円。中味があって安価。