〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「キャッチボール屋」10分百円、のんびりしませんか。

【飛行船】


キャッチボール屋

主人公(30代の男)は、突然会社からリストラされた上、記憶も失った。ボーッとしている彼を拾ったのは10分百円で商売(?)しているキャッチボール屋だった。しかし、キャッチボール屋はすぐいなくなり、ボールとグローブと地図と部屋のカギが残った・・・。
主演の大森南朋が圧倒的によい。元甲子園球児・OL・借金取り・サラリーマン・帽子の男などが、それぞれ過去を抱え登場する。ボールを投げ合ううちに悩みが少し溶けていったりもする。
引き継いだ部屋には「毎日、午後10:30に山口百恵の『夢先案内人』のレコードをかける」という不思議な指示もあった。謎解きのように、でも穏やかに時間が経つ。


キャッチボールとは「ボールを目の前の人に投げているようで、実は自分に投げているのではないか」。そんな台詞もあった。桜のきれいな公園の空を見ていると、「そうだね」と思う。