【ガマズミ】
「前国際啄木学会会長・近藤さん、ユーモア交え「啄木」を語る」
- 前国際啄木学会会長の近藤典彦さんが4日、高知県立文学館ホールで「啄木と高知」と題し講演した。3人の人物が啄木の考え方に影響を与えたとし、そのうち高知に関係がある父一禎と思想家、幸徳秋水について、ユーモアを交えて語り、約100人が聞き入った。
- 近藤さんは講演の中で、天才歌人・啄木は、優れた和歌を詠んだ一禎による、幼少期の“英才教育”から生まれたと解釈した。
- また、大逆事件で死刑になった四万十市出身の秋水の強い影響にも触れ、「赤紙の表紙手擦れし/国禁の/書を行李の底にさがす日」は秋水著の「平民主義」のことだと指摘。「啄木は秋水のいいこと、間違ったことを分かったうえで、引き継いだ正統な後継者の一人」と位置づけた。
【大澤重人】
(2009-10-05 毎日新聞>地域ニュース>高知)