〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「石川啄木」と「鬼怒鳴門 = キーン・ドナルド」


[ツユクサ]


<私的レポート>
2012年9月9日放送 BS-TBS
「日本人 キーン ドナルド 90歳を生きる」
  〜 私は日本文学の素晴らしさを伝えたい 〜
○ あとどれだけ残っているかわからないから、時間を充実したものにさせたい。
○ 90歳になって、一番幸福なときは現在です。
2011年3月11日、東日本大震災原発事故にドナルド・キーンさんは、「この人々(日本人)と共に生き共に死にたい」と、日本人となる決意をした。
「鬼怒鳴門 = キーン・ドナルド」として、日本国籍を取得した。


第九章 「石川啄木の評伝を書きたい」

  • 好きな作家は石川啄木。彼が生き残ったらどんな素晴らしいものを書いたか。彼は面白い人で、私は会えなかったことを非常に残念に思う。
  • 彼は自分の日常生活を赤裸々な形でローマ字日記として書いた。「ローマ字日記」は明治42年に書かれたもので文学的価値が高い。私は、昭和31年に京都大学桑原武夫先生にその存在を教えてもらった。読んで、あまりにも素晴らしいから簡単な翻訳をした。読み進めていくうちに啄木は現代人であると感じた。古い日本の詩人とは違っていた。啄木は近代人ではない。我らの時代と変わらない、現代人だ。今読んでも、100年前のことだということを完全に忘れてしまう。
  • 私にとって啄木は、ローマ字日記だけでなくすべてに非常に刺激を受ける。
  • 明治42年5月13日に、啄木は自分自身を分析している。

あて はまらぬ、無用のカギ! それだ! どこへもっていっても 予の うまくあてはまるアナが見つからない!
タバコにうえた。

日本で現代人の不安を文学的に最初に表現したのは石川啄木である。

  • ローマ字日記は本当の日記だ。日本人は誇りに思うべきだ。啄木は特別の人。
  • 私の心を奪った日本文学、その面白さ素晴らしさを世界に伝えていきたい。