[ムクゲ]
「天鐘」【デーリー東北】2014年7月24日
- 若者がごく当たり前に使う「全然大丈夫」に限りない違和感を覚えていた。「全然」なら「―ない」と否定しなきゃおかしい。これじゃあ美しい日本語も台無しであると大分前から苛ついていた。
- 明治から戦前にかけては否定と肯定が両用され、国立国語研究所が昭和10年代の用例を類別したら肯定が6割を超えた。全然+否定の縛りが定着したのは昭和20年代後半の〝迷信〟からだとか。
- 発端は定かではないが確かに言語学者の金田一京助は論文に「全然普遍性から成る」と記述し、夏目漱石、森鴎外、石川啄木ら明治の文豪や昭和の太宰治辺りまでは肯定で使った。
(2014-07-24 デーリー東北新聞社)
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