四季風 山口新聞
- 「何となく、今年はよい事あるごとし。元日の朝、晴れて風なし」。石川啄木の歌のような思いで新年を迎えられた方も多いことだろう
- このところ毎年のように元旦に心の中でつぶやく詩がある。「百年前ぼくはここにいなかった/百年後ぼくはここにいないだろう」。詩人谷川俊太郎さんの「朝」の一節は、いやが上にも時間としての凝縮力を感じさせる。新年ともなればなおさらだ。
- 「年迎ふ山河それぞれ位置に就き」(鷹羽狩行(たかはしゅぎょう))。山河とは自然のこと。大規模な自然災害が続発しているが心の山河までは奪えない。淑気(しゅくき)みなぎる新年の始まり、さあ位置について!この緊張感を1年間、大事にしたい。(佐)
(2015-01-01 山口新聞)
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