分かり合えない他人たち――キミとボクの下流社会
- 作者: 三浦展
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/09/20
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 125回
- この商品を含むブログ (663件) を見る
だいぶ前――学会とか言ってるころだったから、去年の夏から秋――に部室で読んだ本。あれからこの「下流社会」というラベルは大流行になって、巷で喧伝されまくった。もうブームも落ち着いてきたころではあるけど、茶飲み話につらつらと感想を書いておこう。
僕と貴方は会話ができない
「下流社会」という話題を取り上げたとき、その焦点は所得格差やフリーターの増加といった経済・社会的な問題に挙げられることが多い。しかし、それは結局のところ結果であって(マーケティング的には結果だけあれば十分なのであろうが)、この潮流の原因は「上流と下流では分かり合えない」という一事なのではなかろうか。いわゆる「上流」には上流の常識――使用する単語、会話の進め方、思考パターン、服飾、生活スタイル、その他もろもろ――があり、「下流」には下流独特の常識がある。そしてその差があまりに大きすぎるために「会話ができない」状態に陥るのである。考えていることのわからない不気味な「異邦人」を受け入れるコミュニティは少ない。このことが結果として階層の固定化、収入格差の増大を招いているのではなかろうか。
以下書きかけ。