縦食い 〜ブログ移転しました〜

パフェというもの、私にとっては、非常に食べにくい一品である。
正式な(?)食べ方はいざ知らず、私はこういうもの、なぜか「縦食い」にこだわる。
つまり、トップの生クリームから次のバナナや中のアイスクリーム、苺、次のアイスクリーム、コーンフレークと順に食べ崩していければ問題がない。
倒れたり、垂れたりする心配がない。

が、これができない。
上から真下に掘り下げたいクチなのである。
これはたぶん、私の生クリーム信仰のせいだと思われる。
好きなものを最後にとっておきたい信仰、もこれに拍車をかけている。

だから、トップの生クリーム部分の端っこからスプーンを入れ、そのまま下の層まで食べたい。
いろいろな層が、均等に減っていってほしい。
生クリームだけ、バナナだけ、苺だけ、先になくなるのはいやだ。
最後に液状化したアイスクリームの中にコーンフレークだけ浮かんでいるのを食べて終りにしたくない。
そんなものを最後に食べたら、私は生クリームと苺たっぷりのパフェを食べたんではなくて、コーンフレークを食べたような気になるじゃないか。
なんか悔しい。

それで、必死に縦食いを試みる。
カタチが細くなり、倒れそうになるのを修復し、バランスをとるために、傾いた逆側の苺なんかを食べていると、なんだか山になった将棋の駒を崩さないように取っていく遊び(名称がわからない)をしているような気分になってくる。
そんなんで、美味しいのかと言うなかれ。
美味しいのだv(^o^)

この性癖(?)、パフェだけでなく、ほかのものにも当てはまる。
一種類終わって次の皿、というような片づけ食いが苦手である。
すべて均等に減って、同時に終わって欲しい。
で、最後には、一番好きなもので締めたい。
だから、フレンチのコースとか会席料理とか、実は苦手。
といっても、あまり(ほとんど)口にする機会はないのだから、関係ないといえば関係ないのだが。

つまり、最初に全体を把握したいのだな。
ひとつ終わったら、次、というのではなく、まず全体を知って、お腹の容量と相談し、割り振りたい。
と、書いていたら、先日、友人とした会話を思い出した。

仕事の話。
一番先に、最終ビジョンが見えないとやりにくい、と私は言った。
次の段階、その次の段階、最終段階に、今の作業がどう繋がって、どう影響を及ぼしていくのかわからないままでする仕事は淋しい。
結果としてこういうものがベストとわかってはじめて、そこへ到達する過程の検討ができる。
お腹の容量の割り振りと同様、はしょってもかまわない部分、さらに突き詰めたい部分はどこかを考え時間と労力の割り振りをする。
今、やっている作業がそのパーツのひとつに過ぎないとしても、全体を知り、割り振りを考えた結果のパーツと、パーツのみの知識とでは、仕事の能率も、そして楽しみの量も違う。
同じ仕事、できれば楽しくやりたいじゃないか。

だから、全体を最後まで見せずに、今のが終わってから次を指示、説明します、という上司のもとには仕えにくい、という話をした。
今の職場、通勤時間2時間近くをかけても通い続けているのは、そういう私の好みのやりかたで仕事をさせてくれるからである。
そう、だから、私が自分でする割り振りの中には、ブログを書く分もしっかり組み込まれている。
つまり、今のをやってから次を指示する人は、私のこういう性分を見抜いていて、サボらせないためなのだな。
それはそれで、きっと優秀な上司なのだな。(^^;)

仕事も食事もデザートも、全体を見て、ここから攻めてやろう、次はこっちからと考えるときが、私にとって、一番それを味わっているときなのかもしれない。