『ローマ人の物語 ローマは一日にして成らず(下)』

ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (2) ― ローマは一日にして成らず(下) (新潮文庫)

  

ギリシアから視察団は戻ったが、
ローマはアテネにもスパルタにもならなかった。


近隣諸族との対立でも、
内政でも貴族と平民が対立で起こり、
危機に陥る。
それでも、徐々に徐々に乗り越えてゆく。
突出した英雄がいるわけでもなく、
システムの力で。


“知力ではギリシア人に劣り、体力ではケルトガリア)やゲルマン人に劣り、技術力ではエルトリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣っていたローマ人が、これらの民族に優れていた点は、何よりもまず、彼らのもっていた開放的な性向にあったのではないだろうか。ローマ人の真のアイデンティティを求めるとすれば、それはこの開放性ではなかったか。”