「そして父になる」(是枝裕和監督作品)
座席位置 前方中央
評点・・・☆☆☆★★★
以下、Facebookより転載
80館での上映ながら初週興行ベストテンにぶっこんだ傑作『凶悪』とセットの観賞をオススメします。どっちもピエール瀧、リリー・フランキー両氏が出演してるから。
『そして父になる』について。
まず、タイトルに嘘が無いです。まさにその通りの内容。
是枝監督は「家族」を描くことに定評があるから、てっきり最初は、福山&尾野夫妻と、リリー&真木夫妻を平行に描いて、二つの家族の差異をくっきり見せていくのかと思っていたら、福山&尾野夫妻側に偏っていて、何故だろうと思ってると「ああ、福山氏演じる男性の”父親像”の変化を描いてるんだな」と気づきます。
そして映画としての「構え」みたいなのも良くできている。
二時間凝縮させるような物語、ストローなどの伏線の貼り方も巧い。ラストも綺麗に決まったように思える。ちょっと出てくる井浦新氏の重要性も大きい。
ただ、観ている間も観賞後もずっとモヤモヤしたものが残りました。
中村ゆり氏の存在でしょうか、彼女も肯定してほしかった。「空気人形」は置いといて、「歩いても 歩いても」「奇跡」、そしてこの作品と続いた是枝作品の「このくらいの層の家族の描き方」に飽きてきたからでしょうか。それとも福山&尾野夫妻の夫婦像がありがちに見えるからでしょうか。
良いとは思うけど、手放しに賞賛しがたいです。
オレが父親になれば、また印象が変わるかな。
是枝作品としては「誰も知らない」「歩いても 歩いても」の方が受け入れやすかったです。
とりあえず上出来の部類ということで。