たぶん池袋ですれ違ったおねえちゃんと渋谷の大・大阪博が原因で見た夢

 吸血鬼かもしくは宇宙人、だったのだけれど、人類に敵対する存在があった。ありがちだが、奴らは人間を食料にするのだ。さらにありがちだが、奴らは食料貯蔵庫みたいなものを建てており、其処に置いてあるカプセルのような保存容器の中には、保存液に浮かんだ人間が胎児のようになって貯蔵されているのだった。
 私を含めた大勢の人間が、奴らに捕まった。我々は後ろ手に手錠をかけられ薬で眠らされ、「食料貯蔵庫に運ばれるまでの一時置場」らしきビルの一室に閉じ込められる。が、どうやら私の部屋・左隣の部屋の人々に使った薬は、残量の関係で薄めだったらしく、効きが弱かった。しばらくすると、一人また一人と気が付き眼を覚ます。そして皆で協力し合って手錠を外し、何とか脱出できないかとビル内の様子を窺いつつ相談しはじめた。この階はどうやら、全部屋が「人間一時置場」であり、他の部屋にも、捕らえられた人間達が眠っているようだ。
 その時、何やら不穏な空気を感じたのか、見張り役の吸血鬼?が1匹、やって来る足音が聞こえた。皆とっさに部屋に飛び込み手を後ろに回し、うずくまって寝ているフリをした。しかしフリにも無理がある。なにせ、さっき外したばかりの手錠がそこら中に散らばっているのだ。部屋までやって来た吸血鬼?はすぐに違和感を感じ、一人一人の様子を覗き込もうとし始めた…
 と、もはやこれまで!とばかりに、何人かの腕に覚えのありそうな男達が、次々と吸血鬼?に飛びかかった。1匹とはいえ奴は強く、軽くぶん投げられる男達。
 その時、ホールにある大型コンピュータ…宇宙戦争物の漫画に描かれる司令室?などでしか見ないような大画面のものだ…を鉄のポールでぶち壊そうとする者が現れた(以下ややこしいので、仮にポール男と呼ぶ)。とても大事な機械らしく、吸血鬼?は動揺し、止めようとするそぶりを見せる。その隙を突いて複数の男達が一斉に飛び掛り、奴を仰向けに押さえつけた。大型コンピュータをぶち壊すのは「フリ」だったらしく、ポール男は素早くキーボードを叩いて何やらシステムを呼び出した。そして画面に、韓国の繁華街の様子が映った。
 そこで、なにやら突然の後出し設定なのだが、この夢の世界では画面から画面へ移動することが出来るらしい。ちょっとした「どこでもドア」だ。韓国の映像を呼び出したポール男は、水泳の飛び込みのようなポーズで、この画面に向かって勢いこんて飛び込んだ。画面は水紋のような模様を描きながらポール男を吸い込む。そして、私達の目の前から消え、スクリーン上の韓国の映像の中に現れるポール男。バッテリー切れらしく、すぐに画面は暗くなった。しかし暗くなる前に、我々はポール男が画面の向こうから「必ず助けに戻る!」と言って手を振るのを確かに見た。
 ただ逃げるにしても、何故ポール男は韓国に移動したのか?
 理由の一つは、現在吸血鬼?が密かに力を広げているのは日本国内のみであり、そしてこの「日本が吸血鬼だか宇宙人だかに支配されている」という情報は、奴らの妨害で海外に伝わっておらず、先ずはこの状況を海外に知らせる事が肝要だということだ。もう一つは、画面から画面へ移動する技術があるにしろ、やはり移動距離によっては機械のエネルギー量や実際に移動する者の疲労などで失敗する可能性がある。国内の移動どころか海外という遠方の地へと行こうとする以上、一番距離的に近い韓国に移動するのがベターだと踏んだのだろう。在韓米軍に助けを求める目論見もあったのかもしれない。
 戦いに一筋の光明が見えたところで、完。

 何がどう影響して上記の夢を見たのかの考察メモ

 上記の夢が長文になってしまったので、新しい見出しを付けるとする。
 ドイツ在住の美加ちゃん(仮名)が一時帰国したので、2日間ほどメシその他に付き合った。
 1日目の夜にこの夢を見、2日目の夜に「こんな夢を見た」という話をすると、「たぶん昨日のアレとアレの影響じゃない?」と2点の出来事を指摘された。


 1点目。池袋を歩いている時、緑色のタイツを穿いた若いおねえちゃんとすれ違った。それを見た美加ちゃんが「なんか、凄い色だねぇ」と言った。私はセンスが無いのでよく分からないながら、“あれはあれでオサレなのかもしれないが、穿く勇気のない”色だった。私は答えた。
 「あれをじっと見てるとさ、タイツじゃなくて “緑色の肌の人” に見えてこない?

 あのさ、小さい頃、テレビで『V−ビジター』ってアメリカドラマをやってた(そういえば最近も放送していた)のね。宇宙人が友好を装って地球にやって来るんだけど、実は彼らの目的は地球の豊富な水資源と、食料としての人間だったんだよ。でも皆すっかり騙されて奴らを歓迎するんだけど、宇宙人の本当の目的に気が付いた一部の人たちが、レジスタンス活動を始めるの。
 で、その宇宙人は人間と同じ様な姿をしてるんだけど、それは人間に警戒されない為の変装なのね。トカゲ型宇宙人が薄い皮をかぶって本当の体を隠してるの。要は人間の着ぐるみを着てる、ってカンジ。で、その皮をベローンと剥ぎ取るとその下にはトカゲの肌みたいな、デロデロした緑色の肌が出てくるの。
 …でね、説明が長くなったけど、小さい頃、あの娘と同じ様に緑色のタイツを穿いてる人を見たら、友達と“緑の肌だ!ビジターだ!”って言ってたの。」
 と、何やらつまらぬきっかけで、昔の記憶を熱く語る結果となった。


 2点目。渋谷で開催されていた大・大阪博覧会に行った。最大のお目当ては、通天閣からわざわざ来てくださったビリケンさんだ。私はさんざんビリケンさんの足の裏を触って(願い事がかなうのだそうだ)ご満悦だった。
 普段安置されている通天閣の展望台には、ビリケンさんの代わりにハチ公のレプリカが置かれているとのことだった。さらに、留守中の大阪でも見られるよう、東京のビリケンさんに向けてライブカメラが設置されており、ビリケンさん周囲・約1メートル四方?があちらに中継されていた。
 さらにその、「中継されるビリケンさんをモニター越しに覗きこむ大阪の人々」が東京側に中継されており、双方が双方の様子を覗いて、無邪気に手を振り合う…という光景が展開されていた。
 妙に楽しい気分になり、私もブンブンと勢いよく手を振りまくっていた。


 1点目が敵との戦い、2点目が離れた場所へのスクリーン越しの移動、という具合に影響したんだろうと言われ、なるほどと思った。いや、自分でも正直、1点目については既に、多少の関連を疑っていた。だが、2点目についてはかなり盲点をつかれた感じで、しかしビジュアルやら感覚やらかなり納得する部分があり、目から鱗
 なんだかリアルの生活が意外なほど夢に影響するもんだな、と、不思議な思いだった。

 亀は意外と速く泳ぐ/イン・ザ・プール/チーム★アメリカ ワールドポリス

チーム★アメリカ ワールドポリス  Team America: World Police

チーム★アメリカ ワールドポリス スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
2004年米 98分 R-18
監督:トレイ・パーカー
脚本 トレイ・パーカー/マット・ストーン/パム・ブラディ
声優:トレイ・パーカー/マット・ストーン/クリステン・ミラー/マササ