漁書日誌 3.0

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薔薇刑は銀輪にのって

昨年、発売と知るやいさんで予約した、完全復刻版・細江英公写真集「薔薇刑」ですが、本日ようよう引き取ってきました。

大沢類復刻総指揮、細江英公杉浦康平監修、限定500部記番・細江署名入、題簽付き段ボール外凾付きで、50000円。これが税込み52500円なのですが、発売元のナディッフのサポートメンバーカードがあると5%引きというので、500円払って会員になり、消費税分浮いた感じになりました。
当たり前ですが、極美です。買って帰ってきて、この外凾。これ、段ボールをガムテープでとめてあるのです。ここでまず悩む。まずここには、綺麗に、ガムテープを剥がさずにカッターでテープに切れ目を入れて凾をあけるか、それとも、ガムテープを剥がすか、という問題があります。ガムテープをこの段ボール凾に残しておいたら、時間経過と共に、そのノリが染み出してきやしないかという懸念もないことはないです。かといってこのガムテープを剥がすと、無論、段ボールに直接貼ってありますから、剥がす時にベリベリと一緒に段ボールの表面も剥がれてしまい、結果、この外凾に傷を付けることになるのではないか、という……正に、普通に考えたらどうでもよいようなことにまた、ビクビクと悩むのです。で、結果、剥がしました。そして、案の定、すこし段ボール表面が剥がれてしまいました。あーあ。そして、ご対面。以前、見本を見せて貰っていましたが、やはりよいですねえ。とはいえ、これ、凾が蓋付きなんですが、新しすぎてこれがまた開けづらい。古書では、たいていのものはこの蓋が痛んでいるのですが、さもありなん、なんといっても開けづらいのです。ここで力を入れて変な折れ目が出来てもイヤなので、蓋あけるだけなのに気を遣い。当分、凾と本体と別々に書棚へ入れるか、などと考えています。
で、中身なのですが。前にも書いたように、この中身の写真とか配列とかは、これオリジナルで、後の新輯版や新版では、変わってしまっている。つまり、この初版にしか出ていない写真とかがあるのですが、やはりこういうのは最初の版の復刻でしかお目にかかれません。

いやー、しかし、今の時期50000円はキツイです。キツ過ぎます。またあれやこれやと売り払わねばならないのでしょうか。

で、今日は渋谷のnadiffにこれを取りに行くすがら、表参道のギャラリーにて森山大道/北海道展を見、それから中村書店に立ち寄って、こんなものを購入。
ミハイル・バフチン「小説の言葉」(平凡社ライブラリー)線引650円
森茉莉「靴の音」(筑摩書房)初版凾帯800円
そして、シアターイメージフォーラムでの幻視の美学・松本俊夫回顧展、21時からの回へ。レイトショーは実験映画なのだ。で、いままで未見だった「白い長い線の記録」(1960)を今回ようやく見ることが出来た。とはいえ、実はあまり期待していなかった再近作である「偽装」(1990)の方が実は面白かった。松本俊夫版「オルフェの遺言」のような…。