今シーズン初の首位に立つ


わかってます。
神戸が1試合少ないことは。
さらにうちは次節試合がないことも。
でもいいんです。10月14日までの約2週間横浜は
「首位」

です。首位なんです。

ああ、首位…。すばらしい…。
10月14日に現実に引き戻されるまでの2週間、甘美なる首位という言葉を舐め尽くしてしまいましょう。で、できればシーズン終了時までその座は手放したくないな、と。
これは難しいでしょうが、であれば52節終了時にその座に座ればいいかな。


さて横浜は、この後10月8日にバンディオンセ神戸天皇杯を戦うと、14日の44節はオープンデートとなり、18日の45節札幌戦までは試合がなく、御殿場でのキャンプを行うようです。
ナビスコのように出場選手の規定があるわけでもなく、けが人も多い横浜ですので、このブランクを集中切らさずしっかりとオーバーホールに充てて欲しいものです。アウグスト、城、早川、小村、北村、渡辺*1といったけが人はここで万全な対調にまで引き上げて最後の8試合全部出れるくらいのコンディションに持っていって欲しいものです。


さて、ここまでの40試合を21勝13分6敗で切り抜け、48得点26失点という特に失点の面で驚異的な数字を残してきた横浜ですが、失点が異様に少なく得点数が少ないという成績のためか、過剰に「引きこもって守ってロングボール1本で点を入れるつまらないサッカーをする」という印象を他チームのファンに対して与えているようです。
山口のながさわさんとか柏方面のみらいさんとか柏方面のtamadakgさんとか柏方面のtoyoqueさんとか柏方面のreysolgirl2824さんとか柏方面のitoken_1979さんとか…。
なんだ柏方面ばかりじゃないですか…。

ぼくから見ると、ウチって相変わらず
「決定力のない攻撃的チーム」
なんだけどなぁ…。そこを解消するためにアレモンという城と組んで裏に抜け出せるタイプのFWや難波という最終兵器を手に入れようと補強を進めてきたわけで…。

決定力がなくて守備力があるため、ディフェンシブなチームだと見られることは認めるけれどもますが、断じて引きこもるだけで後ろに人数置くだけのサッカーではない、と思っています。つまり、横浜のサッカーはつまらなくない。いや、面白い。


例えば柏や仙台とやる時にもっともセーフティな戦い方ってなんでしょう?
おそらくウチ以外のクラブが採用するように、ってか水戸がウチでさえ採用するように、柏ならディエゴ、リカルジーニョに、仙台ならロペス、ボルジェスにべったりとマンマークをつけてボールの出所を潰し、前線に1人張りつけたポストプレーヤーめがけてロングボール、という戦術を取るのが一番でしょう。神戸、ヴェルディといった攻撃タレントが抜け出た2チームとうち以外で柏、仙台から勝ち星を挙げたほとんどのチームはそういった戦術を取ってきているはずです。


対する横浜は、マンマークで対応できる屈強かつ足の速いディフェンダーがいないため、中盤より後ろはゾーンで守らざるを得ません。
ゾーンの受け渡しをとにかく緻密に行って、余った人間がボールホルダーを潰す形ですね。そのため、攻め込まれてもラストパスの供給元を潰すことが多いのです。この攻め込まれても最後の部分で芽を摘むこと、そして試合終盤のGK菅野の時間の稼ぎ方があまりにいやらしいために、過剰に守備的な印象を与えるのではないでしょうか?
実際には、サイドに流れてボールキープを出来るほど体格に恵まれた選手がいないので、菅野が代わりにやってくれているのですが、おかげでスゲは相手ゴル裏の罵声を一身その背中に背負いいつも嬉しそうです。。


実際には、横浜はカウンター&ダイレクトプレーに象徴され、守備的サッカーの代名詞であるリアクションサッカーではなく、中盤でのポゼッションから相手の弱点を突くポゼッションサッカーを指向しています*2し、たしかに守備時にはアレモンも自陣に下がって守備を行うリトリートディフェンスを敷きますが、それは前線に置いておいて機能するFWがそもそもいないからです。


さて次にロングボール放り込みについてですが、前述のように横浜には残念ながらロングボールを放り込んでそれに対応できるFWはいないんです。城は周りを生かすさばき役ですし、カズはサイドに流れてのチャンスメーカータイプ、得点力がクローズアップされているアレモンですが、ご存知のようにポストとしてどっしり構えてロングボールに対応するタイプではなくむしろロングボールへの競り合いは大の苦手で、ラインの裏に抜け出してのスピードとボールコントロールで勝負するタイプのFWです。

そのFWへのボールの供給元は、言われているようなDFからの直接のロングフィードではなく、最終ラインで奪ったボールを中盤でのボールポゼッションから相手チームの両サイドおよびバイタルエリアのほころびをじっくりとうかがい、アウグスト、滝澤、小野、内田、崔成勇といったサイドのタレントに素早く供給する、または自ら積極的にバイタルエリアに進出する山口であり鄭容臺であり早川であり、吉野であるといった中央の選手たちです。

そしてサイドや後ろの選手による突破により生まれたギャップなどを付いて裏を抜けたアレモンがゴールしたり、はたまた、サイドからのクロスを頭で合わせて城がゴールしたりするというのが横浜の攻撃パターンになっているのです。

つまり、横浜は
「強固なゾーンディフェンスと、ボールポゼッションからの攻撃の組み立てを得意とするチームバランスとしてはやや守備的なチーム」
である、といえると思います。
昨年までは、マンマークとサイドからの速攻が売りのチームだったため、いまだにスタンドからは今のサッカーに慣れずにサイドの選手がボールを持ったとたんに「いそげ、いそげ」という声も聞かれる横浜ですが、選手たちは決して急がず、確実に点に結びつく方法をまさに「走りながら考えている」のですよ。そして走りながら急ぐときだと思えばこの間の仙台戦の城のゴールのように強引とも思えるアーリークロスから相手のゴールマウスをこじ開ける力もつけてきた。
これが2試合連続3得点という結果を生み出しつつあります。

そしてこの戦術、もしこのまま横浜がJ1にいけるのならばJ1でどこまで通用するか楽しみでもあるのですよ。前年の甲府とは全く異なる守備からのアプローチですが、これも冒険であることに代わりはないでしょうから。たとえ、マグノでもシトンさんでもジュニーニョでもけっしてマーカーをつけずに守る横浜ディフェンス…。怖いけど楽しみじゃないですか。

このテーマについては、ぼくも戦術面詳しいわけではないんで、皆さんの補足や反論をお待ちしております。

*1:一応入れておく

*2:自分で書いていてビックリしました。そういえばそうだ