拙者ムニエル「HYPER DX 寿姫」
うーん……長い。3時間20分はやりすぎ。もちろん、それで面白ければ一向に構わないのだけど、セリフはかぶりまくってるし、段取りはめためただし、正直、「ちゃんと稽古してたのかなぁ?」と思うような出来映えだった。脚本が上がったのが直前だったと仮定しても、隙間だらけの時間と空間を埋めようという気概が感じられなかったのが残念。なんというか、役者同士がお互いをフォローしようという空気すら感じられないんだよね……。通路に舞台を置いたり、大きくセット作ったりして、あの広い空間をちゃんと埋めようと努力したのは解るけれど、肝心の役者たちにそのパワーが感じられなかった。猫ホテも毛皮族も拙者ムニエルも好きだけれど、今回はどこもその良さが出てなかった気がする。ケラさんの脚本パートも若干尻すぼみな感じ。まぁ、ゲスト陣に罪はないと思うけど。どこも好きな劇団だけにがっかりしてしまった。
詳細→ http://www.sessya.com/next_dx_kotobuki.html
- 作品紹介
- 1999年に下北沢駅前劇場で上演された「DX寿姫」を、主な登場人物のみをそのままに、ストーリー、演出を全面的にリニューアル。「再演」ではなく「新作」として上演する。周囲を猛烈に幸せにする力を秘めた寿姫の冒険を描いた前作は、現在のハッピーでクレイジーな作風を決定づけた、拙者ムニエルの代表作のひとつ。ENBU研究所より戯曲化もされている。今回も寿姫役には前回と同じく看板女優の澤田育子、寿姫につきまとう謎の少年役にこの夏、パルコ劇場デビューを果たした加藤啓が挑戦する。
今回は実験的な試みとして、劇中の部分部分の脚本を、タイプの異なるさまざまな作家に依頼。実力派劇団「猫のホテル」の千葉雅子、新進気鋭の「毛皮族」の江本純子、そして「笑いの演劇」の大先輩の「ナイロン100℃」のケラリーノ・サンドロヴィッチと、まさに小劇場を代表する豪華執筆陣が集結、それぞれオリジナリティ溢れる独自の劇世界が、ストーリーを一層華やかに盛り上げる。- 構成・演出
- 村上大樹
- 脚本
- 村上大樹 千葉雅子(猫のホテル) 江本純子(毛皮族) ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ナイロン100℃)
- 出演
- 澤田育子 加藤啓 市川訓睦 千代田信一 伊藤修子 成田さほ子 山岸拓生 寺部智英 石川ユリコ 村上大樹 千葉雅子・中村まこと・市川しんぺー(猫のホテル) 江本純子・町田マリー・柿丸美智恵(毛皮族)