読了本

ものごとに動じないヒロインが物理学的知識を駆使して宇宙的にしっちゃかめっちゃかな事態を適当におさめてしまうという、壮大で軽いノリが面白い。異星人が騒動を起こさなくても、旦那と幼な妻の日常が描かれるだけでけっこう満足なのだが。二人のなれそめとか知りたいよなー。ところで占いに凝ってた中学生時代の知識だと私は山羊座であったのに、いつのまにか星占いは十三星座で考えることになってたんだと! 私は新いて座なんだと! かつて山羊座気質と自分の性格をすり合わせようとかなり苦労したのに、山羊座と新いて座では気質が正反対なんじゃないか。だから占いなんて信用できないんだよ、ぷんすか。

読了本・コミックス

金魚屋古書店 4 (IKKI COMICS)

金魚屋古書店 4 (IKKI COMICS)

漫画の数だけネタはあるかもしれないが、本にあわせて毎回キャラを出し、からみも考えなきゃいけないとなると相当しんどそう。1話読み切りのシリーズものはともすればマンネリに陥りがちだけど、エピソードの積み重ねが新たなネタの源泉となっていきなり魅力が倍増することがあるから目が離せない。レギュラーと新キャラのバランスが絶妙な第25話の「おまえ達いいかげんにしろ!」には笑った。デビルマンを読んだ子が知恵熱出しちゃう第22話と、らんまが共通言語になる第24話も面白い。

金魚屋と比べると雰囲気がぐっと大人っぽい。こっちは舞台が会社で、登場人物も会社人だからというのもあるけど、名作マンガが童心にかえって拠り所を得るためのものならば、名作映画はストレスを発散して現場復帰するためのものと話のなかで位置づけられているからなのかも。どんなに疲れがたまっていてもその場から逃げ出すわけにいかない人々は、いっとき癒されることで働き続けられる。……ちょっとほろ苦い。今年のクリスマスに「三十四丁目の奇蹟」が放映されないかな。

トランスルーセント 5―彼女は半透明 (MFコミックス)

トランスルーセント 5―彼女は半透明 (MFコミックス)

完結。もはやさほど劇的な展開はない。というのも、しずかの心はすでにゆるがないから。あとは大河内さんの片想いなど、決着のついてないことを整理するだけ。ただ「透明病」まで説明をつけなくても、謎の奇病のままでもよかったのではと思う。治癒例も安直すぎる感じだし。病気への不安は残しつつも幸せであろう、強くあろうとする姿がいいのに。まあハッピーエンドに対してゴネるのも何だけど、どうにもすっきりしすぎてあとを引かないので。恵子の素顔には少々びっくり。

宝の嫁 (Bunkasha comics)

宝の嫁 (Bunkasha comics)

近藤さんの中世譚が好きで本が出ると即買いする。でも何だか新味がなくなってきたかも。「民話っていうのは基本は数えるほどしかなくて、あとは全部バリエーション」と『食卓にビールを』のヒロインも言っていたが、表題作なども古事記の磐長姫と木花咲耶姫が民話化したものだろう。ホラー誌掲載作でもあまり怖くはなく、そういうのも嫌いじゃないのだがややインパクトに欠ける。『水鏡綺譚』の「骨笛」みたいなのがまた読みたいなあ……。