英字紙ウォッチング

英語メディアの経済、政治記事を定点観測

トランプ・新スキャンダル

 雨。
 今度はトランプ氏の下半身スキャンダルが浮上した。7年間にわたって、トランプ氏とポルノ女優との間に争いが生じている。現職の大統領と元ポルノ女優との間の、前例のない争いである。
 膠着状態は急速に加速しており、ステファニー・クリフォード氏は、婚外交渉の詳細について表ざたにするとしているが、それをトランプ氏や弁護士が必死になって止めようとしている構図だ。
 転機となったのは2月の一本の電話だった。トランプ氏の私的弁護士、マイケル・コーエン氏が電話をかけ、クリフォード氏に12万ドルを支払うと申し出た。しかし、この発言は2016年10月に交わした非公開の約束に違反していた。そして、現在、クリフォード氏はトランプ氏との関係について自由に話をすることができる。
 トランプ氏本人がこの合意を知っていたかどうかははっきりしない。しかし、連邦選挙管理委員会は、この合意は投票日の2週間前であり、選挙資金法に違反するという市民団体による不服申し出を再検討している。一方、ホワイトハウスやコーエン弁護士は、クリフォード氏とトランプ氏の性的関係を否定している。
 クリフォード氏は39歳。現在、アダルト映画を監督し、ストリップクラブを複数経営している。今週日曜日に放送が予定されている「60ミニッツ」で、インタビューを収録した。
 https://www.wsj.com/articles/trumps-stormy-history-the-seven-year-battle-between-the-president-and-the-porn-star-1521561532
 メラニア夫人はトランプ氏のオンラインによる弱いものいじめをやめるよう、求めている。火曜日にはホワイトハウスフェイスブックやアマゾン、グーグルの代表を呼び、ソーシャルメディアでいじめや脅迫を受けている子供たちからの手紙を紹介した。
 https://www.nytimes.com/2018/03/20/us/politics/trump-melania-bullying-cybersafety.html?ribbon-ad-idx=12&rref=homepage&module=Ribbon&version=origin®ion=Header&action=click&contentCollection=Home%20Page&pgtype=article
 

懇願する欧州

 EUの貿易担当幹部がワシントンを訪問し、米国が検討している関税の除外対象とするよう陳情する。しかし、トランプ氏を説得するという厄介な交渉となりそうだ。
 2日間にわたる会合で、EUの貿易担当者、マルストロム氏はカウンターパートであるウィルバー・ロス商務長官と会談する。このままいくと、金曜日に発効する鉄鋼とアルミニウムの関税を除外するよう求めるためだ。
 トランプ氏は国家安全保障の観点から関税を正当化する脅しをかけているが、それはEUを大きく驚かせた。というのも、EUの28か国の加盟国のうち、22か国がNATOの加盟国であるからだ。EUはむしろ中国の市場かく乱的な政策に、欧米が共同して対処すべきだと求める。
 https://www.wsj.com/articles/eu-aims-to-persuade-trump-the-u-s-already-has-a-good-trade-deal-1521538200
 今回のFOMCで、パウウェル議長が初めて会見に臨む。議長として最初の利上げに踏み切る会合での発言だ。市場の関心は今回の利上げではなく、次に何が起こるか、である。
 Fedは今年に入り、よりタカ派的なメッセージを送っている。労働市場の引き締まりと財政刺激策による影響で経済が過熱することを懸念している。パウウェル議長の課題は、市場を驚かせることなしに、彼らの予測をいかにうまく伝えるか、である。Fed内部にもインフレ率が低迷している中で利上げを続けるべきなのか、葛藤もみられる。
 現在、1・25%から1・5パーセントの間にあるFFレートの目標レンジを0・25%引き上げる見通しが濃厚だ。
 https://www.ft.com/content/85ce1afc-2c47-11e8-9b4b-bc4b9f08f381

物価をアンカーするもの

 セントルイス連銀の副総裁ブログより。
 中央銀行は長期のインフレ率を、目標とする水準にアンカーすることができる、というのが標準的な金融政策の理解である。これは、物価の安定というマンデートを政府が中央銀行に課していることからも明らかである。
 では、中央銀行が長期のインフレ率をコントロールできると考えられているメカニズムとは、いったい正確にはどういったものなのだろうか。さらにいうと、財政的な援助なしに、この好ましいインフレ率の水準を守ることができるのだろうか。
 成功例として挙げられるのは、1970年代のボルカー議長の時代である。
 https://andolfatto.blogspot.jp/2018/03/what-anchors-inflation.html