五線親父の縁側日誌

2017-09-16 この世界の片隅に

[]この世界の片隅に


購入しました。


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原作を読んでいましたので、ストーリーに対しては衝撃はなかったです。ですが別の箇所で衝撃が……。それは「音声」。最初、セリフの部分の音量が低くて「?」と思ってみていたんですが、空襲シーンで急に轟音が響いた(++)狙いなんでしょうがこれはびっくりしますね。背景描写の凄まじい綿密さ、のんびりした広島弁のほのぼのさと、この空襲シーンの怖さの対比がすごかったです。


終戦の日から4ヶ月後まで描かれますが、その喪失感がたんたんと胸にきます。でも旦那の周作さんが優しく、最後まで生きて、原作でも映画でもそこが救いでした。


【追記】

■「この世界の片隅に」原作本。

https://www.amazon.co.jp/dp/4575941468/

 

アニメ版2目回目みました。傑作と認めつつも、「原作も同時に読んだ方が絶対いいよ」と、言わざるをえません。

 

主人公すずが花街で迷子になった時に助けてくれた女郎さんの「リンさん」とは、もっとエピソードがあるのに、それがごっそりカットされています。まあ百歩譲ってテーマと時間の関係上仕方なかったとしても、当時の女性の悲しみを表現した部分が、やっぱり抜け落ちてしまうわけですね。


同時に、すずが、なかなか子供が出来ないことへの、周囲からの無言のプレッシャーに耐えている部分。これは原作でも表立っては書かれてないけど、何とはなしにあるわけですね。この部分も抜けてしまう。フェミニズムに傾きすぎると反戦テーマがボケるとはいえ、何か一つ、触れてほしかった。

 

あとは原作の絵ですね。唐突にタッチを変えて挿入される絵日記風別エピソードとか、アニメ版はやっぱ原作には敵いません。映画を見た方はなおさら、原作漫画を読んで欲しいですね。

2017-08-28 フィギュア歌舞伎「氷艶〜破沙羅〜」放送

[]フィギュア歌舞伎「氷艶〜破沙羅〜」放送


■氷艶〜破沙羅〜ニュースレポ動画

https://youtu.be/yq4ciTZzSF0

 

良かったと思います!歌舞伎役者さん達がかなりスケートを滑っていてびっくり。特に悪のヒロイン・岩長姫役の市川笑也さんは、重そうな衣装でも滑らかにターンとかもする。調べたらアイスホッケー経験者だそうで、なるほどと納得。

 

一方フィギュアスケーター達は一切セリフなしで、まあ無理もないんですが、ちょっとはあったほうが良かったかな。高橋大ちゃんが「陸上」でキレキレの結構長いマイムを見せてくれて、ココは流石でした。

 

画期的な企画ですが、ともかく恐ろしく手間暇はかかりそうですし、早々は出来ますまい。しかしこの無理難題を企画しやってのけた染五郎さんには大拍手でしょう!!\(^^)/

2017-08-18 アイドルアルバム3選

[]アイドルアルバム3選


はい。あいかわらずアイドルポップス中心に、CD音楽ヲタ三昧の夏です。で、ほぼ同じ時期に3枚、とても素晴らしいアルバムが出たので聴き狂っております。


■脇田もなり「I am Only」

http://tower.jp/item/4524034/I-am-ONLY

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大阪ファンキーアイドルエスペシア」から独立後、ソロデビュー盤。グループ時代からのテーマである「80年代風ファンク&EDM」もキープされています。そのサウンド面もご機嫌なんですが、それより何より本人の声がいい歌がうまい!特徴的な、ちょっとねじ曲がって出てくるような声、これがとっても魅力的。ミディアムの平歌で声を抑えた時も色気があって良い。彼女シンガーとして本当に超大物に育つかもしれないと、密かに期待しております。(^^)


WHY@DOLL 2nd「WHY@DOLL

http://tower.jp/item/4467146/WHY@DOLL

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札幌出身のデュオの2枚目。ここも基本はファンク&大ディスコ大会……と思いきや、聞かせる曲も多く意外でした。歌唱力の進歩も感じられ、詞が結構響いて入ってくる。声質の爽やかさ可愛さとサウンドの風通しもよく(生ギター3フィンガー主体の曲とかもある)長くちょくちょく聞けそう。


RYUTist「柳都芸妓」

http://tower.jp/item/4549576/%E6%9F%B3%E9%83%BD%E8%8A%B8%E5%A6%93

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新潟の若手アイドルグループ。もう3枚目か。王道ポップスなんですが、楽曲が、かつての大瀧詠一もかくやと思わせるほど、作・編曲の凝りまくりぶり・綿密ぶりが異常にすごい(笑)その難曲を十代主体の彼女たちが、コーラスも交えて完璧に歌い切っているのだからたまらない。とはいえおゲージツではなくあくまでアイドルポップなのは流石。ご当地新潟古町コンセプトも貫かれています。

2017-07-15 オージェイズとフォー・トップス

[]オージェイズとフォー・トップス



■The OJeys「992 Arguments」


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■The Four Tops「One Chain Don't Make No Prison」


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1970年代前期、公民権運動などを経て黒人の個人の意識を大きく変わってきた時代。ソウル/R&Bの音も変革期を迎えていました。マーヴィン・ゲイダニー・ハザウェイ等のニュー・ソウルの新しい音が勃興してきたのです。

 

対して、いわゆる旧勢力だったコーラス・グループ達も、時代の波に遅れまいと奮闘して行きます。その代表格とも言えるフォー・トップスとオージェイズ、この2つが、同じようなやり方で音楽を作っていくんですが、ここがなかなか面白い。


まず2グループとも、レコード会社を移籍し、作詞作曲スタッフなどをガラリと変えてから、再びヒットを出している。ここが共通しますね。オージェイズフィラデルフィアの作詞作曲コンビ・ギャンブル&ハフ。フォー・トップスの場合はダンヒルレコードのポッター&ランバート。この二組の作詞作曲コンビ、サウンド面でもかなり共通項が多くて、どうやら強烈に意識し合っていたんではないかと、私は推測せざるを得ません。


音的には、軽快でポップだった60年代モータウンサウンドに比べ、より重厚で切れ味鋭くなっています。ストリングスを多用した華麗な編曲が特徴で、このへんは驚くほど似ている。例題に示した2曲は、歌詞のテーマも同じ。夫婦喧嘩をいさめて、もう一度やり直せないかい?という歌。はっきりポッター&ランバート側がパクリ……もとい、意識してインスパイアしてると思います。

 

でもって、ロックサウンドではない、あまり主流とはいえないこの辺のソウル系の音が、筒美京平を中心とした日本の歌謡ポップスに、多大に影響していくのも面白いですね。お陰で日本では、こういう風なアレンジが、逆にメインストリームになってしまったと。(^^;)で、達郎やらユーミンに続いていくわけです。

2017-07-13 Negicco「愛は光」

[]Negicco「愛は光」


Negicco「愛は光」


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「ねじ曲がったポップス」のキリンジ兄が、まさかこれほど直球で素直な歌詞を書くとは。しかも、ネギのこれまでの苦労した軌跡、ネギライトに込められたファンとの絆を、きちんと歌に織り込んでくれた。アイドルとしてはまさに「月」のように控えめな存在だった彼女らを、長い道程で出会った関係者達と、そして何よりファン達が、ネギライトの光で照らして導いてきたのだ。よくぞここまで歌にしてくれた。これはネギヲタは兄やんに感謝せねばなるまい。私達ファンとメンバーをあらためて結ぶアンセムとなりました。

2017-07-12 アニメ「たまゆら」

[]アニメたまゆら


アニメたまゆら」オープニング・坂本真綾「おかえりなさい」


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たまゆら」は、2011年から2013年まで断続的に放送されたアニメです。女子もののほんわかした日常話で、写真家志望だけど引っ込み思案な主人公が、友人や周囲の人々との交流を通して成長する姿が描かれています。


いわゆる青春群像ものなんですけど、ドラマチックな出来事やロマンチックな恋愛などは全く描かれません。ただもう、じれったいほどほわほわした、優しーーい女子登場人物たちの、盛り上がりのない日常が描かれるだけ。旧来のスポ根やらロボットアニメしか知らない人は「なんじゃこのダラダラは!」と思うに違いありません。でも近年、特に今世紀に入ってからは、こういう少女日常系アニメって結構多いんですよ。一つのジャンルになってさえいます。


で、なぜ私がそんなアニメを紹介するかというと、登場人物たちが暮らす街……「舞台設定」がすごいんですわ。広島県竹原市、&瀬戸内大崎下島御手洗地区、という、がっちり実在の街に設定し、綿密に取材をして、これでもかと街の背景が描きこんである。ホワホワ夢見心地で現実味のない登場人物達との、見事な対比、そして美しさ。そう竹原市は、日本でも有数の「まちなみ保存地区」古民家、古商家が数多く残る、歴史とロマンの街なのですね。大崎下島御手洗地区も同様。瀬戸内の多島美の中に明治・大正の街並みが残る、リアルなタイムスリップ地区なんです。


ちなみにこの2地区は、アニメを知る前から、私の憧れの土地です。広島市内は訪れた事があるけれれど、こっちは行ったことがない。尾道倉敷なんかも含めて、どうやら行けずじまいで終わりそうですが……。


だからオチを明かせば、結局アニメのキャラやストーリーよりも、その舞台背景への憧れに、突き動かされて観てしまった、んですけどね(苦笑)


このアニメが傑作かと言われれば、ちょっとためらいがあります。やっぱりあのホワホワした女子話はどうしてもじれったい面がある。しかしそうはいっても、繊細で傷つきやすい少女達が励ましあって青春を送る様は、ファンタジーでありえないとわかっていても、ひたすら美しい。可愛い女の子キャラと声優さんの可憐さへのスケベ心も手伝い、鉄壁な設定背景との対比で、私は面白く見られました。でも他人には勧められないか(笑)


■竹原町町並み保存地区を歩く 安芸小京都


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2017-06-11 鵼(ぬえ)の絵師

超久しぶりに漫画のおすすめ。


■「鵼(ぬえ)の絵師猪川朱美(著)

https://booklive.jp/product/index/title_id/303981/vol_no/001

 

舞台は昭和初期の東京。「生者を描けばその魂を奪い、死者を描けば蘇らせる」という噂の主人公の画家。不吉な噂を知りつつ、絵の制作を依頼してくる「訳ありの人々」と、所縁の死者たち。その人間模様を、1話完結のライトミステリータッチで見事に描き切っている。これ超おすすめです。現在第5巻まで刊行。