「そらあい〜暁月夜に巣搔く想い〜」 ぽんプラザホール 

teru10162012-05-06

13時〜 1200円(ペア) 演劇銭団Do-リンク場  
作、演出小林ゆう、彼お得意の時代劇、私でもわかる時代劇講座といった様相なのだが、今回もまた感動的だった。 はじめに当日パンフを開くと、なんて登場人物が多いんだ、とあせった。 でも観ていくうちにだんだん関係がわかっていく。 そしてそのそれぞれの関係性の中にドラマがあった。 時代劇では最も二者選択をせまられる、家族か師か。 現代だったら家族か会社か、ということなのだろうけどね。 その中でも八雲(野良杉太)のように力足りないことを悔やむ者もいる。 だが、力があっても守れないこともまた現実。 竜太(小林ゆう)とお雛(柳暁子)の兄妹。 慎三(ごいち)と燕(江口真歩)夫婦。 大渦時(鹿児島豊)と妻ツグミ(幸野さくら)と娘雁乃(蔵田菜摘)家族。 そして八雲と母とき(えりい)と妹雲雀(西本まり)家族。 4家族それぞれの愛情が深い。 幕府側の人間などお目付け役はわかるのだけど、風見(藤井ショウジ)、日野(榎元憲一)の兄弟の立ち位置だけはよくわからなかった。 戦いの末、やはり死んでしまうのは悲しかったが、これまた感動的な死にざまで泣かせる。 
作・演出もさることながら道具、照明等の効果が以前よりよくなったと思った。 いつもの柔らかいセリフも非常に好みだ。 今回の作品はぽんプラザホールの広さにぴったりはまっていた。 もっと大きな舞台でおおがかりな作品もいつか見てみたいと思う。

「わたしたちの町」 西鉄ホール 

16時〜 共通チケット(15000円) 市川森一記念 長崎座

有名な「わが町」を元にした作品。牧歌的な日常を映し出す。 古き良き時代をなつかしみながら、その心地よさに浸った。 ナレーター役に作者自身(ソーントン・ワイルダー)をあてて、アメリカの小さな町グローヴァーズ・コーナーズでの話。 
隣りあうギブス家、ウェブ家の長男、長女、ジョージとエミリ。 恋をし、結婚し、年老いていく。 「日々の暮らし」「恋と結婚」「死」の3幕構成。 大きな事件がおこるでもなく、小さなエピソードはらみつつ、人の暮らしを淡々と描いている。 
1幕目はさすがにあまりののんびりさにうとうと・・その中でもミセスギブス(宮地悦子)とミセスウェブ(角田邦子)のはつらつさが良かった。 30代くらいだろうか。 若いお母さんを生き生きと演じていた。 姿勢がすごくいいと思ってたらフィナーレのダンスが非常にレベルが高かった。 絞り込まれた肢体にも目を見張った。 宮地さんは福岡の役者さんで、他の舞台も観たことはあるが、今回は目立っていた。 長崎座の役者さんとうまく絡み合っていたと思う。 
2幕目はジョージとエミリの恋愛から結婚まで。 恋はいつでも魅力的♪ マリッジブルーなど、忘れていたあのころを思い出した。 
3幕目は2人目のこどもを産んだのちに死亡したエミリとそれ以前に亡くなった、姑のミセスギブスや他の者たちとの黄泉の世界での会話、そして、現世へ戻りたいと願うエミリ。 ここでもミセスギブスのセリフや演技は良かった。 死後の世界っていいもんだなと本当に思った。
スペシャル・フィナーレで歌やダンス等を披露。 レベル的にちょっと幅があったものの、楽しんで観れた。 小学生、幼稚園の役者(ダンサー?)も可愛らしくてほほえましかった。 何度も言うけど、宮地さんはとにかくかっこいい。 かなりファンになってしまった。 市川森一さんとは長崎座を作った方らしい。 去年亡くなったようだけど、劇団名についているのがちょっとびっくり。 慕われていたのだろうな〜