「建築家M」 大博多ホール

teru10162013-05-22

19時〜 チケットプレゼント 下鴨車窓
作・演出 田辺剛
チケットプレゼントありがとうございます。ここまで当たると恐くすらある。というかみんな応募しないのだろうか?
前回はぽんプラザホールでの「人魚」を見た。もう2年近く前になるのか〜 

大博多ホールをどう使うのかと思って会場入りしたら、なんと舞台上舞台。
舞台上の奥の方に階段状の観客席を作り、従来の観客席のほうに向かって座る。
吊り下げられた斜めの窓の前に応接セット。あえて緞帳は降ろさずに通常の観客席は窓やその回りから丸見え。

ある村の村長宅を立て直すということで建築家Mが呼ばれて住み込みで図面を書いている。
何かいわくありげな大事な犬が行方不明ということで犬ハンターも呼ばれている。
犬にかこつけては何度も図面の書き直しを要求される。 建築家もハンターも仕事が進まない。
村長の娘は母親に反抗的で建築家と関係を持ち、ハンターに頼らず2人で犬を探そうとし始める。
いやがらせのように図面の書き直しをさせる秘書の目的は何か、図面はできあがるのか、犬は見つかるのか。。

斜めの窓を見てすぐに地点の「桜の園」を思った。 調度品もちょっと昔のロシア風な。
母親はまさしく雰囲気ぴったりの世間知らずの奥さまっぽい感じ。
でも娘は今風のショーパン、金髪とギャップがすごい。
秘書と建築家はどうにもイメージが似ていて、顔の区別がつけにくかったのは私だけか?
それに比べてハンターは個性的だった。 人魚のときにも出ていた人らしい。

ストーリーはとてもわかりやすかったのだが、出口の見えない閉塞感があり、何を訴えているものかは見えなかった。
終わり方も唐突というか、予期しないものだったので私の中では疑問は残りっぱなしだ。
ただ、前回も思ったけど、結構笑えるところがちょっとずつ織り込まれていて役者さんの上手さと相まって
楽しい芝居だった。 公演後、人にも勧めた。 
名前があるのが登場しない犬の「ジョン」だけで、他は建築家さん、秘書さん、お嬢さん、ハンターさん。。。
名前がないのは感想を書くのには楽だ。 お母さん役の日詰千栄さんはそとばこまちの女優さんだったそうだ。
見たことはないが関西の有名な劇団だということは知っている。
この日詰さんがとても魅力的だった。吉本的な芸風が面白くて、相当好きだった。またどこかで観たい女優さんだ。

アフタートークはガラパの川口氏と。 あれ?人魚のときも同じだ。 親交が深いのだろうか。
田辺さんが「シチュエーションコメディです」と言ったときは笑った。 川口さんとは作品の作り方そのものが違うようで
お互いに自信がある感じが頼もしい。

今回は福岡演劇フェスティバルの参加作品の最終となる。 GWを挟んでのフェスティバルは観る日程が厳しいのだけど、
来年もやはり続けて欲しいな。

「藁の盾」 映画 

1000円  
レディースデイ
映画の感想を忘れてた^^;
大沢たかお松嶋菜々子、そして藤原竜也が出演。木内一裕のデビュー作品を、三池崇史監督が映画化したサスペンス・アクション。
ということだけど、やっぱり役者で選んでしまう私。映画はどうしてもそうなっちゃうな〜。
演劇もほぼ役者中心だけど、いい脚本だったら役者を選ばないこともあるし、さまざまですな。

連続殺人事件の加害者、清丸(藤原竜也)を殺すことに、被害者の家族、蜷川(山崎努)は10億円の懸賞金をかける。
全国民が懸賞金目当てに清丸を襲いだす。
身の危険を感じ出頭してきた清丸を福岡から東京まで護送する担当になったSPに警護課の銘苅(大沢たかお)白岩(松嶋菜々子
1課から奥村(岸谷五朗)神箸(永山絢斗)福岡県警から関谷(伊武雅刀)の5人。
数々の危険を潜り抜け東京本庁への護送は完遂するのか?

下馬評はあまり芳しくなかったのだけど、私はかなり面白かった。 
登場人物の背景が見え辛かったのは残念だけど、想像もつけやすかったし、小説の映画化としては成功の方かと思った。
5人の絡み具合がとても興味深く見れたし、アクションとしても派手で見応えはあった。
ただ、カンヌ出品となると日本代表?とするにはちょっと弱いのではないかと。。。^^;

銘苅のこだわりはわかるが、あまり現実味がないのが難。
いくら職業意識を高く持っていても人情はあるし、個人の弱さはあるし、ここまで冷静を貫ける銘苅には驚いた。
ラスト前の口にピストルを突っ込んだときには「殺してしまえ!」と思わずつぶやいたものだ。
清丸容疑者の残虐性の衰えがないのが最後まで不思議だった。 母親の自殺で少し和らいだのかと思えば全くそんなことないし。
人間はここまで弱くなれるのか、いや他を排除できるのか。 丹精できれいな顔立ちの藤原竜也がやることでさらに凄みを増した。

気持ち悪さが残る映画だったけど、魅力的な役者さんを観るのは楽しい。 
松嶋さんは顔立ちがふっくらした感じだったけど、お母さん役ははまりでした。
一番感情移入できたかな。 でも、映画観たい力が低下している。 なぜだ?・・・( ̄  ̄;)