現在における、自称ヌルい(否定的ではない)アニメファンと、いわゆる面倒くさい古参アニオタ、そして伝統的なアニメマニアの個人的な位置付け(あくまで個人的見解)。

[個人事情語りパート]
ブログの方針を長年の各話感想からすでに降り、かといって全体状況を俯瞰する「定点観測」を徹底して継続するには作品をチェックしきれないのは自明のこと(仕事の忙しさもあるし)。だから、やむを得ないのだが自分が視聴できた作品(ネット配信メイン)、あまりチェック出来てないネットで伝え聞こえている反応、即効性のまとめサイト(あまり信用してないが)。等々を現状況でこなすしかない。

とういうのが個人的なアニメ視聴環境の現状である。パッケージに感じてはリアルタイム購入マラソンには何の興味もなく、旬が過ぎて全巻揃ってからレンタル視聴あるいはしばらくしてBOX化されてからよほど好きだったものであれば購入することもあろうが、基本的には旬のリアルタイムTV放映に無理に付き合うことは数少なく、ある程度作品をセーブして視聴することはあるのだが、それでも数は少ない。
TVアニメのイベント上映的劇場版ラッシュにもいいかげん食傷気味である。

だから最近は、そもそもアニメ限定の趣味ではなかったので、直近で言えば、原作の「極黒ブリュンヒルデ」(アニメ化きっかけで知った新参者だけど)だったり、まだ現在でも続いてる原作の「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の続刊も楽しみだし、アニメでいえば今秋富野監督の「Gのレコンギスタ」が控えてるし、自分的には特にアニメに特化して拘ることもなく、ラノベ、マンガ等の専門を標榜するブロガー(笑)に与するするつもりはない。ただし、各ジャンルの専門性を今後継承していくためには、各ジャンルにこだわり続ける方々の活動の積み重ねが将来役に立つと思うのでぜひ頑張ってください。


[いわゆる面倒くさい古参アニオタについてのパート]
商売的にはまだ購買力があるので貢献してると思うが、自戒をこめて言うが、単にライトなファン(ここではヌルヲタとは呼ばない)にはもっと優しくしてもいいのではないかと思う。自力で勉強してきてそれを古参が認めることもかつてあったが、それはかつてのSFの冬の時代の二の舞だし、世間的にはアニメの認知度は多少上がったが、パッケージ販売、ネット有料配信、イベント上映等のマーケット事情はそれほど楽観的ではなく、たまに大ヒット作が出現しても一時的なものだろう。それらは意図通りだったり偶然に近いスタッフの実力発揮に実現されたものだとは思うが、例えば「キルラキル」は過去のアニメネタ(実写の「スケバン刑事」等)盛り込んで、サンプリング的に勢いで畳み込んで展開するやり方も、「今」だけで考えれば充分盛り上がる作品(イベントで積極的に盛り上がりたい層が無視できない数がいると思うので別に貶してるわけではないのだが、そんな状況もテーマやドラマ云々で古参が貶すのは悪いクセなのではないだろうか。例えそうは思っていてもあまり口に出さないことが賢明だろうと思う。これが若いファンの無知上の勇み足なら、出来ればやさしく諭してほしいものである。余談だが同時期の「ノブナガン」はアニメマンガ特撮ネタはあったにもかかわらず、それはちょっとしたスパイスであり、地味ながらも戦術戦略分かりやすい理屈のストーリーで魅せていることに今のところうまくいっている。


[伝統的なアニメマニアのパート]
極論を言えば、たぶん文句を言われることを承知の上で言うが、いわゆるかつての蔑称、自虐としての「おたく」から肯定的に捉えようとした某氏の「オタク」の提唱より、ある程度長い間定着しながらも、一部でオタクの定義の論争が続き、そのあいだに若い人にはアニメやオタクの歴史の基礎教養を充分に勉強出来る事が出来ず、(独自に興味を持った人は勉強しただろうが)さらに「オタク」をあり方として現状でリアルタイム視聴前提だったり、旬の話題についていけなくてはならなかったり、それは以前からあるコミュニケーションの楽しみと弊害の問題もはらみ、経済的、仕事の事情とも絡み、濃い高齢化した「オタク」の限界が見え始めている。だから、乱暴だが、かつて「オタク」は死んだとも言われたが、そろそろ「オタク」という呼称は定義どころかいいかげん終いなのではないかと思う。
そこで「伝統的なアニメ/アニメーション」の歴史、加えれば「オタク」の一時期の文化的意義等、年寄り、興味のある若い人による研究は必要であろう。別にアカデミックでもなくてもいい、草の根的に有志による継続した記録は必要だと思う。引退したアニメ業界関係者も是非協力してもらいたい。


[ライトなアニメファンのパート]
一言でいえば、専門的なことは知らなくてもいいから、何でも良いからアニメを盛り上げてください。そうすればしばらくは「アニメ」は続くでしょう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140324-00000126-mycomj-ent
富野さんは「アニメーションに未来なんてねえよ!」(笑)と言いますが、それはスタッフ側の事情であったりするので致し方ない問題はありますが、それでも商業作品ですから作り続けられるでしょう。その成果がすぐに出るとは限りませんが、全くないとも限りませんので、無理にリアルタイム視聴に追いつこうとしなくてもよいのです。ネット配信や、レンタル等がありますので、旬の作品に煽られずにじっくり作品を吟味することも一つの楽しみです。旬の作品を追っかける人たちはその人たちに任せましょう(笑)。このご時世、「繋がり」の誘惑は強力ですが「孤高を恐れず」道を究めてから繋がることも有りなのです。

今後理想を言うならば、個人的には「オタク」は肩身が狭くなり(オタク癖が抜けない人はご愁傷さま。自分もそうだけど)、ファン(昔でいえば「ミーハー」)、マニアの区分に戻るんじゃないかと思っている。


あ、蛇足かもしれないが、すでにこじらせた「オタク」の人のケアも必要なんだろうなあ、とも思ってますよ。