とりあえず、なんか書きますか。

はてなブログに引っ越してきました、読書メモと日記を不定期に書いていくブログです。不定期なのは、相変わらずです。

ジャレド・ダイアモンド「銃、病原菌、鉄」

この頃ハードカバーのノンフィクションものを読んでいなかったなあと思い、「教養、教養」というフレーズを頭の中に浮かべながら池袋の旭屋書店をうろうろしてたところ、平積みにされていた本書を発見しました。手にとってパラパラとめくってみて、ツボに入ったので購入しました。
そして1週間で読みましたが、なるほど読んでおいた方が良い本だったと強く感じました。
内容は、近代文明がなぜヨーロッパに発祥してニューギニアに発祥しなかったのか、ということを1万1000年前の人類のスタート地点にまで遡って考える、ということです。よくこういう議論だと中世のルネッサンスとか産業革命とかそういう話になるのですが、時間軸の長さをとても長くとって考える事で、より深い理由を考察することができていて素晴らしいです。要は、文明がどれだけ早く発展するかには、食料生産を早く始めることと、食料生産やその他の技術の移動の容易さがキーポイントになっていて、それには地形とか自然環境とか利用可能な植物、動物種の豊富さとかが決定的な要因になっている、という事です。
つまり一言でいえば、ヨーロッパ人は良いところ(温帯とかユーラシア大陸とか)に住んでいた、という事です。まあ生まれは選べないからニューギニア人にとってはどうにもならないのですが。
この要因から言えば、日本も温帯にあって恵まれている環境だったということになります。「稲作が始まって弥生時代になったんだよなあ」と思いながら、小学校の時に作った歴史年表で弥生時代以降の展開が速かったことの意味がようやく分かった気がしました。
こういう本を読むことができる時代に生きていることが嬉しく感じるような本でした。お勧めです。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎