世界平和は一家団欒のあとに

世界平和は一家団欒のあとに (電撃文庫)

世界平和は一家団欒のあとに (電撃文庫)

 父「元勇者」、母「元姫君」、長女「災魔」、二女「超越」、長男「冒涜」、三女「創世」、四女「祝福」、次男「破壊」。家族全員が異常な能力の持ち主で、それぞれが世界を何度も救っているという馬鹿げた設定でしたが、こういうコミカルな話は好きだ!
 軋人の一人称で語られる話はテンポが良かったですし、尺の都合上、あんまり掘り下げられていないキャラがいましたが、家族同士の遠慮のない掛け合いが面白かったです。朝一番に、窓から自分の弟を放り投げる姉なんか見たことがないです。
 欲を言えば、柚島さんにもう少し絡んで欲しかったなあ。いや、家族の話がメインなのは分かるけど、軋人とのやりとりは面白かったし、星弓家以外の登場人物として唯一キャラが立っていたので、彼女の活躍が少なかったのは残念だったなあ。
 あと、面白かったのは良かったんですけど、何か物足りない気がしました。「ミミズクと夜の王」、「扉の外」の二作品と比べると、あんまり印象に残らないというか、地味。どうやら続編が出るらしいので、次はもっとコミカルにはじけて欲しいと思います。