人気マンガ「MASTERキートン」が絶版に至った理由。

BSマンガ夜話」でこくの作品を取り上げた時にも、小学館から『この作品はほとんど浦沢がストーリーをつくったものだから、原作者の話はしないでほしい』的な要請があったというような話が番組中にも出ていましたが、最初の設定をどれだけ作ったのかとか、その辺のところの真相がよく分からないことに、これからもなっていくんでしょうね、まあ今回は雁屋哲が出しゃばらなければ丸く収まった話っぽいですが(笑)、それでも雁屋哲の気持ちは分かるからあんまり批判したくない気分だし、心情的には正直いって長崎氏のほうがあんまり信用出来ない(笑)。
だって最初の頃の「MASTERキートン」って少し浦沢さんっぽくない話があるように思うから、全く勝鹿北星がお話を作った回がないというのは少し眉唾で聞きたいなあ、とりあえず当事者だからといって長崎尚志の話を鵜呑みにする理由はどこにもないでしょう。少なくとも雁屋哲勝鹿北星周辺のコメントがほとんど拾えずに、おそらく利益対立者であろう長崎尚志の証言だけで雁屋哲を悪者にしたり、本当に『勝鹿北星がお話を作っていない』とするのは一方的過ぎると思う。マンガ原作者の立場を守りたい、編集者が会社からサラリーを貰いながら、自分たちの権益に踏み込む姿を許せないと思うのは当然だと思うし、だって長崎氏の言い分が全面的に正しかったとしても、現実にいる原作者に名前だけ借りて、自分が原作書いていたということになるんだったら、長崎氏の行動はそんなに誉められることではないし、雁屋氏が名前だけ使われた友達の名誉を守ろうとするのは別におかしな話ではないでしょう。逆に雁屋哲が「MASTERキートン」を絶版に追い込んでいるなんて言いぐさは論理飛躍させすぎかと、当の長崎氏や元記事でもそこまでのことは言っていない。
やっぱり今に繋がる編集者がクレジットされずに原作者となっている状況がこの問題を生んだということはありそう、最近はかなり堂々とクレジットされるようになりましたが、それもどうなんだろうと思うこともありますが、別に作家主義に陥らずに編集と共同で作るのは悪くないし、それで面白い作品も多くあるけど、権利関係とかお金に関することはきちんと整理してからやってほしいですねえ、とりあえず今回は浦沢・長崎側のほうの言い分を全面的に信用するのはちょっと危険だと思いました。(narinari.com)