豊丘時竹の続続「平素の戯言」

エッセイでもコラムでも随筆でもなく、ミセラニーです。

だから日本はズレている

 古市憲寿『だから日本はズレている』を、読み終わった。


 本書は、各章の内容はよく分かるし、その内容もなかなかいいところをついているから、読み終わって、よく分かったという気持ちにさせてくれる本である。しかし、さてと考えてみて、本書ははたして全体で何を言いたかったのだろうか、と考えてしまった。そして私が出した結論は次のとおりである。


「『若者』に社会は変えられない」の章、189ページ「当の若者はどうやら今の日本社会を、そこまで悪いものだとは考えていないようなのだ」、191ページ「若者にとって貧困とは、未来の問題だ。20代のうちは体も健康だし、親も元気な場合が多いし、世代内収入格差も少ない」、


「戦わなくても『革命』は起こせる」の章、207ページ、「彼が住むシェアハウスでは、……。しかし、家賃は約3万円。生活費を節約すれば1ヶ月5万円で暮らせることに気付く」


「このままでは『2040年の日本』はこうなる」の章、219〜220ページ、「しかし人々は幸せそうだ。裕福な親の子は裕福な、貧しい親の子は貧しい階級社会は、人々の生活満足度を再び上昇させた。……。治安維持に一役買ったのは、『ベーシックインカム』と『改良プロザック』の配布だ。……。人々はとりあえず衣食住の心配をする必要はなくなった。電子マネーでの給付によって使用履歴が管理されるため、嗜好品に散財されることもない。……。プロザックも改良が進み、現在では『ハッピーサプリ』という名前で国家が一部の労働者に無料配布している」


 私が重要だと思ったところを抜き書きしてみれば、上記の太字部分になる。さらに私がもっと大胆に要約すれば、以下の赤字部分のようになる。


 ノマドなどしていて気の毒だと思われているが、若者は現状に満足している。日本はやがては、階級社会・格差社会となり、それなりに安定した社会となる。そして人々の満足度も上がる。治安維持に寄与したのは「ベーシックインカム」導入である。


 著者は、ベーシックインカムはやがて導入されるとみている。私はそう思う。


 リフレーン
 集団的自衛権行使を首相に決断させよう
 http://blog.ohtan.net/archives/52004075.html


 リフレーン2
 日本と中国をいつまでも仲違いさせておくことは全欧米諸国の、ここ百年の基本戦略である(藤原正彦管見妄語」162、週刊新潮31号、平成24年から)