一迅社文庫2008年9月刊行全3冊の感想

9月中に感想文を書くことができなかった。
うーん、そろそろやめようか。
だが、とりあえず今回はなんとか読み終えることができたので、いちおう感想文を書いておく。

ハーフボイルド・ワンダーガール

ハーフボイルド・ワンダーガール (一迅社文庫)

ハーフボイルド・ワンダーガール (一迅社文庫)

出オチ小説なので紹介しにくい。
ある「謎」が主人公の少年の前に立ち現れ、その「謎」をミステリー研究会会長の少女とともに追っていく話……なのだが、真相は読者にはバレバレなので、ミステリ的面白さは皆無に等しい。
「謎」の中心にいる人物が、ある種の読者にとってはヨゴレ役*1で、そのせいかネット上での評価は今ひとつだが、個人的にはもっとドス黒い話でもよかったと思ったくらい。この人が読んだら気に入るかも???*2

ドラマチック・ドラマー遊月

ドラマチック・ドラマー遊月 (一迅社文庫)

ドラマチック・ドラマー遊月 (一迅社文庫)

宇宙戦艦アキバの「パシュー」が脳裏をよぎった。擬音語で音楽を表現するのは勘弁してください。

白銀のローレシアン 〜願う少女と迷い糸

白銀のローレシアン ~願う少女と迷い糸~ (一迅社文庫)

白銀のローレシアン ~願う少女と迷い糸~ (一迅社文庫)

現代学園異能のツボを押さえた良作。奇をてらったところはないが、設定もキャラクターもしっかりしているので、読んでいて安心感がある。あとがきを読むと結構早書きしたようだが、さすがはプロ、きっちりと仕上がっている。
上原りょうの作品は、ほかに『生徒会長はボクのくノ一』を読んだことがあるだけなので、作風はあまり知らないのだが、今回も生徒会長が登場していたし、ほんのちょっとだけだがくノ一っぽいことをやっていた。そういうのが好きな人なのだろうか?

まとめ

毎回同じことばかり書いているが、折り込みチラシの次回予告と公式サイトのそれとが違っていて、安定供給体制が整っていないことがわかる。創刊6ヶ月記念の二大作品のうち『死神のキョウ』の2巻が延期になってしまったのは、何ともかんとも。もう一つの『さくらファミリア!』は出るようだが、ウェブの紹介文*3の、神をも恐れぬドタバタ借金ラブコメ、光速LOVE寄せの第2弾!というのはいかがなものか。この道はいつか来た道LOVE寄せは両刃の剣です。

*1:それを「ヨゴレ」とみる視線にはちょっとした病理を感じるが、その点には立ち入らないことにしよう。

*2:2008/10/02追記:「さ、最高傑作級〜〜〜〜!!」だそうです。本家の評価とのギャップが素晴らしい!

*3:一迅社文庫はなぜか折り込みチラシと公式サイトで全く別の紹介文を用意することが多い。そんなところに凝らなくてもいいのに。