Mr.ROBOT

 TSUTAYAの新作のコーナーに並んでいた『Mr.ROBOT』というアメリカのTVドラマシリーズを暫く前から観はじめました。天才的なハッカーがその才能を活かして巨悪と対決する、というようなストーリー展開を予想していましたが、ちょっと違っていました。確かにそういう場面あるのですが、周囲の人物の様々な人間模様が絡み合っていて、人間の心の闇の部分、倒錯した性の描写なと、観ていて滅入ってしまうシーンも多いので、このまま観ようかなどうしようかな、と思っているうちに惰性で全5巻のうち4巻まで観てしまいました。
 天才的ハッカーのエリオットが主人公なのですが、「コンピューター関係の才能がある人」というのはいろんな映画やドラマに登場しますが、こういう人物の描写は簡単ではないのだろうなと思います。例えば、音楽に関するドラマのピアノを弾くシーンで、どんなに素晴らしい演奏をしたところで、実際にその俳優が弾いているのではなくて鍵盤を叩くアップの映像は別の人が弾いているんだろうな、ということがわかると興ざめしてしまうように、コンピューターのキーボードをすごい速さでカチャカチャと叩いても、でも本当はデタラメに叩いているんだろうな、という感じがするとやはり興ざめしてしまいます。しかし、このエリオットは不思議とそういった違和感が無くて、感情移入しやすかったです。