自由社が著作権侵害認める  年表盗用でお詫び文書

16日付「しんぶん赤旗」より

年表盗用を「おわび」 つくる会系教科書出版社
 
侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」系の自由社の中学校歴史教科書の年表が他社教科書からの盗用と指摘された問題で、自由社が同教科書を使用している横浜市教育委員会と中学校校長などに引き写しの事実を認めた「お詫(わ)び」文書を送付していたことが15日、分かりました。
教科書は『新編 新しい歴史教科書』(2010、11年度用)で、年表部分が東京書籍版の02年度の年表と酷似し、「子どもと教科書全国ネット21」と「横浜教科書採択連絡会」が6月13日に盗用疑惑を指摘していました。
「お詫び」文書は自由社教科書編集室長の榎本司郎氏名で今月、中学校校長に出されました。文書は「ほぼ引き写しであることが判明」したと認め、東京書籍に訪問陳謝したと説明。教科書を使用している教育委員会や学校にお詫びと経過説明をするとしました。一方、盗用の経過は「当時の作成担当者が2年前に退社しているため」確認できないとし、年表自体には誤りはないので「学習上の支障はない」などと記載しました。
自由社版歴史教科書は現在、横浜市内の8行政区と一部の私立学校で使われています。8月の教科書採択(12年度から4年間使用)でも同社の教科書は対象になっており、ほとんど同じ年表が使われています。同社は、見本本について「可及的速やかに作り直した年表を文科省に訂正申請いたします」としています。