2009/05/15 - 11/15 劇団どくんご『ただちに犬 Deluxe』。

おかやまどーむ



2009/06/04 (Thu) - 06/06 (Sat) @岡山 北長瀬「岡山ドーム・南側広場・特設テント」。


日本縦横断ツアーシリーズ。初年度のどくんご。

尺2時間10分。

一昨年暮の信州松本でのパイロット版に比べ、不条理劇臭が隠され丁寧な進行。大道芸の要素が入って来てカラフル。

始まりは強風。ひるがえる天幕。

全員の場面と個々の場面で重層的な劇になっており、各役者の場面は、現代人の“脳内”妄想が自分でほころぶ、または暴力的に他人が侵入してきて、てんやわんやになる情況が描かれているのではと、現時点では解釈しておきます。...その文脈では「健太×みほし」場面(アドリブ部分がどれだけあるのか)死ぬほどおかしい。お中元場面も傑作。

全員による「探偵ごっこ」の反復はどんな風に考えられるかは宿題ということで。

岡山。蹴球サポーター代表決定とかで周りが騒がしかったが、通りすがりの部活の子供など、うまく「風景」に取り入れていた。

唐十郎系の劇団だとテント幕の向うに脱出口が見える(あるいは美的ケレン)。旅団/野戦系だと水やら炎やらの四大元素がたけり狂っているのが見える。どくんごのテントはだんだん透き通ってくる。その向うに何が見えるといっていいのか。身近な草っぱと街並みのシルエットと夜空の天体だろうか(そういえば岡山は円い月がでていた)。世界を包む銀河だろうか。闇の中で輝く舞台と客席のユニット。集っている自分たちが見えるような気持ちになるのは確か。

伝統的には芭蕉奥の細道』冒頭に回収されそうなものもあるだろう。

「どくんご」の舞台は材木の匂いかスダレのイグサの匂いか、草の匂いみたいなのがプンプンする。