シャイン


お勧め度:★★★★★(95点)
ジャンル:ヒューマン
POINT:ノンフィクション・配役・感動・音楽・映像・精神性

今から10年くらい前にビデオで観たんですがまたじっくり観たいですねぇ。心に残る作品です。

この映画は「ヘルフゴット」という聴衆を引きつける才能があり、その才能をさらに開花させるべく訓練を積んだ優秀なクラシック音楽のピアニストの生涯を描いています。
彼の生涯はその才能とはうらはらに苦悩に満ちた日々でした。幼い頃から利己的で歪んだ愛情を持つ厳しい父親により、ピアノを弾く事を厳しく叩きこまれた少年デイビット。父親は音楽を愛しながらもその心のままに人生を歩むことが出来なかったという後悔や憤り、デイビットの才能への嫉妬し、デイビットをどんどん追い詰めていき、とうとう彼の心の弦は切れてしまいます。そして脳へ障害を持ってしまうのです。

この話の内容のように親の歪んだ愛情により、その心や才能を潰されてしまう・・・ってこと、今多いんじゃないですかね?親自身が子供と向き合うことが出来ず、自分の利己欲に囚われ行動してしまう。いつしかヘルフゴットのように自分の利己欲で子供を追い詰めてしまう事態に至らないようにしたいものです。

また、この映画を通して、ピアノの奏でる音色の美しさに初めて静かに目を向けることも出来ました。特に「ラフマニノフのピアノ協奏曲三番」には感動しました。私はピアノ経験がないのでどれくらいこの曲を表現し完璧に弾くのが難しいのか計りしれませんが心が湧き立つ音楽ってこういうのねって思いました。

ジェフリー・ラッシュの演技も鳥肌ものです。これが演技なのか?と疑いたくなります。彼自身がヘルフゴットそのものでは?という錯覚に陥るくらい。

是非、ご覧になってください。心に残る映画とはこういう映画でしょう。