伊坂幸太郎「チルドレン」

チルドレン (講談社文庫)

チルドレン (講談社文庫)

(・∀・)イイ!
もともとこの手の連作短編は好きだけど、いつにもましてクオリティ高いですね。「バンク」「チルドレン」「レトリーバー」「チルドレンⅡ」「イン」の5編収録。そしてこの5編を通して、陣内という捻くれた、それでいて真っ直ぐで好感が持てる*1、いかにも伊坂作品に出てきそうな饒舌系のキャラクタを見事に書いてます。
エキセントリックな陣内を狂言回しにして、過去編の探偵役を永瀬に、家裁編はそんなものがいらない構成に、というストーリー管理に物凄く感心しました。
日常の謎系ミステリとしたら「レトリーバー」がよかったけど、小さな奇跡が起こったラストが素晴らしすぎるので(短編)小説として「チルドレンⅡ」をベストに挙げます。

*1:読めばわかるけど、矛盾した概念じゃないんだよ