新しさの思想

当ブログでは思い出したように1・2年前、時には10年近く前に製作されたアニメの話をすることがあります。最近の作品について話すことがないとか、DVDのレンタル料が安いからとか、いろいろ理由はあるのですが、最大の理由は「『新しさ』を売りにしたコンテンツは古くならない」という確信ですね。
小説ならクリスティやカーの傑作、アニメなら『少女革命ウテナ』や『おジャ魔女どれみ』のような、作品が発表された当時に「これは新しいな」と感じた作品は、今見てもやっぱり新しいわけです。その理由は、「新しさ」が技法ではなく、作品の設計思想そのものに宿っているからだと考えます。誰かが生み出した技法を真似ることは出来ても、自分の代わりに考えてもらうことは出来ない。それが、コンテンツが古くならない理由ではないでしょうか。
もちろん、コンテンツを伝える媒体の進歩もその大きな要因です。時間が経っても画質が悪くなるわけではなく、手に入りづらくなるわけでもない。Youtubeだってある。平成に生きる僕らは昭和の作品を、昭和の人間が大正の作品を手に入れるよりもはるかに容易く手に入れることが出来ます。
だから、最近のアニメオタクは最近の作品しか見ないといわれても、それって本当かな?と。もし本当だとしても、それは「優れたコンテンツは古くならない」ということを知るだけで改善される、瑣末な問題だと考えます。
年末になると「今年の○○ベスト10」みたいな企画が乱立されますが、「今年の」と限定する必要性を感じないので、去年はオールタイムでいくつか作品を選ばせてもらいました。そんなに嫌なら選ばなきゃいいじゃん、言われそうですが、オールタイムって「前代未聞」という意味もあったはず。年末になのに全時代の作品から選ぶって、意味不明で「前代未聞」ではないですかね。
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