土曜日の観察記録(やたら長い)


【準急電車でドア脇に立って本を読んでいた女の子】
本の大きさからしてペーパーバッグ。自作の物らしいオレンジと
黄緑色の縞模様のカバーを付けていたので、本のタイトルはわからず。
ペーパーバッグの表紙はセンスのないデザインが多いので、隠したかったのかもしれない。



【男友達と池袋駅の近くを歩いていた男性】
肩掛けカバンから金色に縁取られた色紙が数枚覗いていた。
これからサインしてもらうのか、それともすでにサインをして
もらったのかは不明。どちらにせよ、色紙を10枚ほど持ち歩く
状況というのが、僕にはよくわからない。



ビックカメラ池袋本店地下、カメラ売り場の店員】
メガネをした中年男性。リコーのR3というデジカメを手に真剣な面持ちで
マクロ撮影をしていた。あまりに熱心だったので客かと思いきやビックカメラ
制服を着ていたので、客みたいな店員だと判明。何を撮影しているのかと後ろから
眺めていると、展示してあったGRデジタルの電源を入れ、繰り出してきた
レンズを接写していた。
後ろに立っていた僕に気が付くと
「GRデジタルありますよ、少し入荷してますよ」
と嬉しそうな顔で教えてくれた。
どこの店でも品切れ状態にあるGRデジタルが入荷し、
それを売ることができるのが本当に嬉しいといった様子だった。



【黒のすんごい網タイツを履いた若い女性(水商売風)】
ブレザーを着た男性(ホスト風)と一緒にビックカメラの地下で
プリンターのインクを探していた。メーカーはキヤノン
何色を探していたのかは不明。僕にはそろそろシアンが必要。



サンシャインシティ内のコーヒー屋にいたカップル】
トールラテ350円を飲んでいたら、右隣の席から聞こえてきた会話。


のらくろの携帯ストラップなかったよー。のらくろ知ってる?」
「知ってるけど。なんで探してるの?」
「うちの爺ちゃんにあげるの。いっつもファックス送ってくると紙の下の方にさ、
のらくろの絵ちいさく描いてあるの」
「好きなんだ」
「婆ちゃんもだけど、字が汚くて何書いてんのか読めないんよ。だから時々
ワープロで書いたのを送ってくる」
ワープロ使えるの?すごくない?」
「この前なんて免許取ったんだよ。70で免許だよ。すごいけどちょっと怖くない?
でも、今度九州行くけど、バスなんだって」
「免許持ってるのお爺ちゃんだけ?」
「行く人はみんな持ってるけど、バスの方が楽だって」



【小声で何やら話し合っていた黒人女性と日本人女性】
左隣のテーブルにいた2人。しばらくの間、何も喋らず手元の紙を
見ていたようだが、小声で何やら話し始めた。
僕がラテ飲みながら文庫本読んでいると、
「So, this is the end of conversation.」
というセンテンスだけが、2人の会話からはっきりと聞こえてきた。
ちょっと怒っていながらも何らかの諦めを含んでいるような響きだった。
なんか怖いなあ、と思いながら読書を続けていると、しばらくからさっきと同じ声が
「This is very good. Congratulation.」
と言うのが聞こえた。おそらくは手元の紙に関するコメントなのだろう。
日本人の女性が「Thank you」と応えていたが
どこかおざなりだった。


短い短編をひとつ読み終え、ふと隣の席を見てみると
日本人女性がひとりで座っていた。



【スツールに座ってノートパソコンを開いた男性】
そのコーヒー屋では、ワイヤレスでインターネット通信が出来るように
なっている(らしい)。20代後半くらいの男性はスツールに座るが早いか、
いかにもノートパソコンが入っていますといった感じの平べったいカバンから
ノートパソコンを出しテーブルの上に置いた。
電源スイッチを押しパソコンが起動するまでの間、しきりに「しまったぁ」
「しまったぁ」とつぶやいては手に持ったアイスティーをズルズルと
音を立て啜っていた。ズルズルと。



【西武地下の本屋で河出文庫の棚の前にいた男性】
この前は出版社も調べていないまま、先入観からハヤカワ文庫と
創元文庫の棚だけを探してしまい見つけられなかったが、今回は
前もって河出文庫から出ていることを知っていたので目当ての本を
すんなりと見つけるが出来た。
そんなわけで『銀河ヒッチハイク・ガイド』購入。