腐印注意

腐印の 映画 アニメ BL 雑記。おもにネタバレありです。

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」

ふと目についたので、読んでみることにしました。村上春樹版です。
なんかこう、「人間失格」とかと同じで、伝説的な、一部の人をとらえて離さない作品、という位置づけらしいんですけど、スイマセン、私はピンときませんでした……てか、途中までは若干、退屈でした。
華麗なるギャツビー」ほど苦痛ではなかったですよ。文章は読みやすいし、ところどころ笑えるし、さすがの村上春樹、「この単語、20年ぶりくらいに見た気がするんだけど、こんな使い方できるんだ……」みたいな文章とかあって、すごいなー! と素直に感嘆したりもしたんですが、いかんせん、主人公のホールデンくんの気持ちがよくわからない。。。
なぜこの人は、こんなにも物事を斜め見するの、そして、人に対しては思ってもいないおべんちゃらとか口にするの、という、主人公のエキセントリック具合についていけない。思春期の男はこんなものなんだ、と言われてしまえばそれまでなんだけど、こう、彼のしていることが支離滅裂にみえるので、なんだかよくわからねーよな、となってしまいました。ずっと読んでいくと、死の影がちらついていたり、彼がなにかにすごく傷ついているんだろう、というのがわかってきたりはするんですが、なんかこう、全体に出口のない感じがあって、つきあうと疲れるっていうか……。
後半、妹が出てきてからは、すこし明るいきざしがあるというか、とくに、旅行鞄をひきずってついてくるところとかね、「こんな妹いたら、そりゃ愛さずにはいられないわー」と遊園地のシーンとかもほろりとさせられたりはするんだけど……。
信頼していた先生なのに、寝ているところを頭なでられた、というだけで、「ホモだ!」と飛び出しちゃうとか(笑) とにかく行動が唐突で、「……もうすこし説明してくれないと……」となります。それとも、アメリカの人なら、いちいち説明されなくてもわかるなにかのサインみたいなのが書いてあるのかなぁ……私にはよくわからないなぁ……と、消化不良だったので、一応、村上春樹の翻訳夜話2(「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の翻訳苦労話とか書いてある)も読んでみたのですが……うん、私自身に知識が足りないというのもあるが、知識がある人が読んでも不可解ではあるのね、とうっすら納得いたしました。
というか、彼が精神病院のなかにいる説にびっくりです。え?! そんな大事なことに全然気がついてないんですけど私! となりました。。。すいません、修行が足りません。
うーん……10年後くらいにもういっかい読んでみるとちがうのかなぁ……でもさ、私、中学の時に「人間失格」読んだ時も、あまりピンとこなかったんですよね。すらすら読めるんだけど、なにかが自分の中に残るということもなく……これも影響を受けたという人、男の人が多いよな、そういえば、となりました。思春期の男の人のみに響く特殊ななにかが埋め込まれている系の小説なのかな、ふたつとも(笑)

となると、思春期の女性に絶大な影響を与える小説とかもあるんだろうか、と思ったりしましたが……いまのところ思い浮かびません。腐女子に絶大な影響を与えた作品とかなら、いくつも思い浮かぶんですけどね(笑)

そういや昔「かもめのジョナサン」も読んでみたことあるんだけど、あれもよくわからなかったなぁ……古典の名作とかと相性が悪いのかもしれない。。。