Garmin社のGPS機器にOpenStreetMapを導入する

調査の際に、GPSによる位置情報を参照することはほぼ必須となっている。ラベルに載せる情報として使う他にも、道迷いの防止やトラップの回収忘れを防ぐ意味でも有効である。

そのGPSは、今やほとんどのスマホに搭載され、それなりに精度が良い。
しかし、使いやすさの面や電池持ちなどを考慮したとき、専用の機器を代替するまでには至っていないように思う。

私はその機器としてGarmin社の「eTrex 30(英語版)」というハンディGPSを用いている。この機種は、パソコン上で地図をインストールすることで、表示することができる。

地図としては、地形図などがすでに販売されているが、決して安価とは言えない。
そこで、無償で使える地図、OpenStreetMapを主に用いている。

何かとよく問い合わせを受けるので、その導入に関して有用なサイトを以下にまとめる(随時更新)。

Free routable mapsのdownload、install方法
Garmin GPS(英語版)用 日本地図データ

公聴会

昨日、昆虫学教室の金尾さんの博士論文公聴会に参加した。


公聴会では、アジアにおける好白蟻性ハネカクシについて、総合緒言、分類、系統、生態の4つの柱を軸に話が進められた。

分類・系統のパートでは、膨大な未記載種の整理、形態・分子に基づく系統樹の構築を通じて、特殊形態により混乱していた好白蟻性種の分類体系についての大幅な変更が示唆された。

生態のパートでは、化学擬態、寄主特異性の2つの側面について紹介された。

化学擬態では、好白蟻性種に見られる、「腹部肥大型 physogastry」と防御形態と考えられる「カブトガニ型」の2つの形態形質がどのような進化的背景を持ちどのような機能(適応)上の差異を生じているのかという問題について、系統、野外での行動観察に加え、寄主シロアリや各形態形質ごとの体表化学成分についての比較に基づく議論がなされた。その上で、それぞれの形態における、戦略の違いについて示唆された。

寄主特異性では、先の化学擬態の研究結果を踏まえ、腹部肥大型の好白蟻性ハネカクシが寄主特異性を有するのかという問題について議論がなされた。具体的には、同種の別コロニー由来のハネカクシについて、採集されたコロニーとは別のコロニーに対し、どの程度受け入れられるかということである。この問題は、好白蟻性種のコロニーへの侵入方法についても、示唆を与えた。


とにかく膨大な仕事量で、それでいてとてもわかり易く発表されていたため、詳しくない私でも聞いていてとても面白かった。
分類・系統・野外観察に留まらず、そこから得た仮説を、実際に化学成分の分析・行動実験などで検証されていた事も、ますますこの研究を面白くしていたのだと思う。

私はハネカクシに明るくないため、なかでも生態パートが特に面白かった。
コガネムシ上科にも、例えばCorythoderini, Termitoderini, Termitotrogini, Stereomeriniといった、族レベルで好白蟻性と考えられている分類群が存在する。この手の好白蟻性マグソコガネには、Supertermitoderusなどの腹部肥大型、多くのTermitotroxなどの防御型の他にも、Termitopisthes, Chaetopisthesと言った、化学物質を分泌すると考えられている毛束を有する形質も見られる。更には、その組み合わせ版も存在したりしているので、その形質と、Wasmann(1984)に代表されるような、好白蟻性の生活様式と合わせていつか議論してみたい。
どのような形質を採択するかという問題も生じてくると思うけど。

関連した研究として、Vårdal, Forshage 2010( A new genus and species and a revised phylogeny of Stereomerini (Coleoptera, Scarabaeidae, Aphodiinae), with notes on assumedly termitophilic aphodiines)などがある。


ほとんど人目につかない、未知のシロアリと寄生者が織りなす相互作用、想像するだけでも楽しい。将来的に、解明したいと思う面白い分野だ。昨日の公聴会で、より一層その面白さを実感できた。


長くなってしまいましたが、金尾さんと指導にあたった丸山先生をはじめとする皆さま、お疲れ様でした。

ピンセット

twitterでピンセットの話題が出ていた。
ピンこれ ~ピンセットこれくしょん~ - Togetter

現状手に入るピンセットとしては、KAYAKUYAさんが扱っているこのピンセット(http://www.kayakuya.com/catalog/product_info.php/products_id/34)が好きで、最も使い勝手が良いのは、古い鋼鉄製のDumont No.5である。古い鋼鉄製は開く角度が小さいが、テンションが柔らかく、細やかな操作が可能である。最近、日本に再び新品の鋼鉄製Dumont No.5が入荷しているが、開く角度が大きく、また、テンションも硬い。ただ、素材の硬さは健在なので、研ぐことには向いている。また、通常のステンレスよりはテンションは柔らかかった。

ideal-tekやrubisも近々試すつもり。。

ピンセット関係のリンク
ふらっとばぐずろぐ - FC2 BLOG パスワード認証
人形は顔が命です - 断虫亭日乗
Dumont No. 5 - 断虫亭日乗
http://d.hatena.ne.jp/graphelmis/20121207/1354845783
ピンセット使い勝手メモ
Tweezers Collecting by 田中屋

Wordの表に連番の項目を作成

この方法は、標本を管理する際の通し番号を入れた管理用のラベル(コレクションラベルなど)を作成する際に役立つのでメモ。通し番号ラベルがあると、標本撮影時などに管理が容易になる。

TUYA MAGU
Collection
TMC{SEQ 連番 \r 開始番号 \#”000000”}

とすることで、

TUYA MAGU
Collection
TMC001234
と表示される(開始番号=1234とした場合)。


{SEQ 連番 \r 開始番号 \#”000000”}の部分をオートフィールドと言うようだ。

オートフィールドの{}はcommand⌘(windowsならcontrol)+F9で入力する。
オートフィールドの内容自体はalt+F9で表示・非表示を切り替えることが出来る。

2番め以降のセル
{SEQ 連番 \r 開始番号 \#”000000”}の部分を
{SEQ 連番 \#”000000”}に変更
00…の数で桁数が決定する(六桁なら000000、5桁なら00000)

以降のセルはコピペした後、全て選択→F9で更新する。
これによって連番が反映される。

【参考】
http://www.relief.jp/itnote/archives/000188.php
http://www.relief.jp/itnote/archives/018344.php
http://www.relief.jp/itnote/archives/018356.php

Belohinidaeとイタリアのコガネのページ

Scarabeoidea d'Italia
というイタリアのコガネのページがある。中身はイタリア語で書かれており、読むのは難しいが、パラパラと画像を眺めてても面白い。

その中に

Belohinidaeの写真があった。。
まさか載っていたとは。