<東証>邦チタが下げ幅広げる――今期業績鈍化見通しを嫌気(14時55分、2部、コード5727)

14時半に2006年3月期決算を発表したことをきっかけに下げ幅を広げている。主力の金属チタン事業が航空機向けなどで好調だったことから前期連結経常利益は前の期比3.6倍の89億4800万円と大幅増益となった。ただ、同時に示した2007年3月期の連結経常利益予想は前期比ほぼ横ばいの90億円を見込んでおり、業績の伸びが鈍化することを嫌気した売りが出ているようだ。〔NQN〕

<JQ>イートレードが分割後安値を更新――松井も年初来安値

(14時40分、コード8701)後場に入り一段安。前日比1万5000円安の18万2000円まで下げた。4月21日に付けた18万7000円を下回り、株式分割後の安値を更新した。野村系のインターネット専業証券「ジョインベスト証券」が発表した業界最低水準の株式売買手数料に対抗し、前日9日に手数料引き下げを発表したが、むしろ競争激化による収益圧迫懸念から売りを呼び込んでいる格好。松井(東証1部、8628)も前日比95円安の1428円まで下落し、約2カ月ぶりに年初来安値を更新した。株式相場全体が下げ足を速めており、新興市場の主力株との位置付けから売りが膨らんでいる面もあるようだ。前日に発表した2006年1―3月期業績で順調な収益拡大が確認された楽天(4755)も朝高後下げに転じ、現在はきょうの安値圏で推移している。〔NQN〕

<マザーズ>サマンサJPが弱含み――「中央青山関連」には反応薄

(14時35分、コード7829)後場に入りやや下げ幅を拡大している。金融庁中央青山監査法人に対し、7月から2カ月間の業務停止命令を出す方針が決まった。サマンサJPは業務停止期間が決算期にあたる(8月中間決算)のため、10日付日本経済新聞朝刊は「監査に支障が出る可能性があり、他の監査法人に依頼の可能性を打診している」と報じた。ただ監査法人の変更がスムーズに進めば、サマンサJPの決算発表や株価に悪影響を与えるわけではないため、「現時点で特に懸念した売りは出ていないだろう」(国内証券のストラテジスト)との見方が多い。前場は前日終値近辺でもみ合っており、後場の弱含みは株式相場全体の下げ幅拡大につれ安している面が大きいとみられる。もっとも、市場では「中央青山の処分で他の監査法人は監査を一段と厳しくするとみられるほか、中央青山からの変更が進まない企業が出てくる可能性もあり、特に新興企業にとっては今後の懸念材料」(同)との指摘も聞かれる。
中央青山から監査を受けている企業のうち、日本経済新聞に「できれば変更したくないが、変更を視野に入れて弁護士と相談を始めた」とコメントしたチンタイ(ヘラクレス、2420)は高い。〔NQN〕

<東証>東レが下げに転じる――決算発表を機に利益確定売り

(13時30分、コード3402)後場は一段高で始まったが、13時に2006年3月期連結決算を発表した後に下げに転じた。前日比20円安の1071円まで下げた。前期は増収増益で、2007年3月期も増収増益を見込み、アナリスト予想に沿った内容だった。ただ8日に上場来高値を付けるなど一本調子の上昇が続いていたうえ、「三菱レ(3404)が12時に発表した好決算を手掛かりに後場の寄り付きで先回りした買いが入っていたため、いったん利益確定の売りが優勢になった」(東海東京調査センターの矢野正義シニア・マーケットアナリスト)という。相場全体が下げ基調を強めたことも株価の重しになったようだ

東レの前期、連結経常益876億円と過去最高――中経を策定
 東レが10日発表した2006年3月期の連結決算は、経常利益が前の期比14%増の876億円と2期連続の最高益となった。航空機向けや一般産業用の炭素繊維が伸び、IT(情報技術)関連樹脂や集積回路材料などの電子材料が好調だった。期末配当は4円(前の期末は3.5円)を実施し、年間配当は8円(前の期は7円)とする。
売上高は10%増の1兆4274億円。炭素繊維複合材料は高付加価値商品を拡充し、液晶ディスプレーやデジタル家電向けに樹脂・フィルム事業なども伸びた。営業利益は15%増の930億円。前の期に130億円を計上した固定資産の評価損がなくなり、純利益は38%増の474億円となった。
07年3月期の連結業績では、売上高は前期比6%増の1兆5100億円、営業利益は12%増の1040億円、経常利益は15%増の1010億円、純利益は16%増の550億円を予想。情報通信材料や炭素繊維などの好調を見込む。中間と期末に5円配をそれぞれ実施し、年間配当は10円とする方針だ。〔
東証>三菱レが一段高――今期の業績・配当見通しを好感
(12時55分、コード3404)後場に入って一段高。連日で上場来高値を更新し、一時は前日比79円(7.24%)高の1170円まで上げた。東証1部の値上がり率ランキングで上位に入っている。12時に発表した2006年3月期連結決算で示した2007年3月期業績予想が増収増益と増配の見通しだったことを好感し、買いが膨らんでいる。今期の連結業績予想は売上高が前期比15%増の4000億円、経常利益が47%増の570億円と、アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサスの3841億円、479億円をそれぞれ上回った。〔NQN〕

<JQ>インテリの上値重い――好業績も学生援護会効果見極め

(10時35分、コード4757)朝方に前日比8000円高の33万2000円まで上昇したが、その後の上値は重い。前日比で下げに転じる場面があった。10日付の日本経済新聞朝刊が「2006年3月中間期の連結経常利益は前年同期比32%増の15億円強と従来予想(11億5000万円)を上回った見通し」と報じた。主力の人材紹介が順調に拡大したほか、広告宣伝費の抑制が寄与したというが、好感した買いは続いていない。同社は報道に対し、9時過ぎに「17日の中間決算発表に向け、現在精査中」と発表した。昨年買収した子会社の事業再編費用を特別損失として計上、2006年9月期通期の連結最終損益は赤字転落が見込まれている。また、7月1日付で学生援護会(東京・新宿)と経営統合、USEN(ヘラクレス、4842)の傘下となる予定とあって、市場では「合併効果も含めて今後の事業展開を見極める必要があり、株価は当面動きの鈍い展開が続くのではないか」(準大手証券の小型株ディーラー)との声が出ていた。〔NQN〕