秋期限定栗きんとん事件〈上〉

秋期限定栗きんとん事件〈上〉  Amazon
ミステリ4コミカル4シリアス2
米澤穂信秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)東京創元社,2009
シリーズ感想
米澤穂信さんの作品感想
目立たないよう小市民として生きようとしている小鳩くんと小佐内さんの話。一体どうなってるんだろうと思うまもなく、小鳩くんがクラスメイト女の子に告白されて付き合うことになります。
真正面から小悪魔的な女の子に弱い私としては、このまま仲丸さんとラブラブな日々を送ってくれれば嬉しい気分になれそうです。手紙一つとっても推理してしまう小鳩くんがとても愛らしいから、事件らしい事件を起こさなくても、仲丸さんと二人で一緒にいるだけで楽しいと思うのにー。
仲丸さんはジグゾーパズルの趣味とか、期待を裏切らないお人ですよ。あっという間に正月になっていたけれど、文化祭やクリスマスや初詣なんかの甘い甘い日々をきちんと書いておくれよ〜。
だから、仲丸さんのために椅子を確保しようと頭を働かせる話は好きです。また、仲丸さんの機嫌を損ねないように、必死で頭を働かせて推理しないようにしてる場面も、なんだか本末転倒な感じで面白かったです。


一方その頃、小佐内さんは小佐内さんで彼氏を作っており……。その彼氏さんが新聞部員として連続放火事件を追いかけ始め、過去の事件とのリンクもほのめかされていて、ちょいと気分重め。
ぜんぶ雪かきしちゃうの」や「わたし、マロングラッセって大好き」など小佐内さんの発言はやっぱ怖いわー。右手のレシートなど、小さい背ながらも年上らしく魅力的ですが、悪魔は悪魔でも、狼の顔をもつ本当の悪魔だから、近づかないほうが吉でしょうか。