母校の桜

  私は母校の高校から歩いて3、4分のところに住んでいる。校章や校歌にトンボが登場するので、私が親しみをこめてトンボ高校と呼ぶ学校である。ところで、ちょっと古い学校にはたいがい、校庭のまわりや構内に桜がある。だから、私がもっとも身近に楽しめる桜の花は、この母校の桜なのである。キャンパスをぐるっと取り囲んでいるからかなりの本数に。市街地よりちょっと高台だから開花がやや遅いが、この週末には5分咲き以上に...。

 半世紀近く前、私が通学していた頃もむろん咲いていたから相当の古木である。1933年(昭和8年)、松本城の敷地内からこの高台に建物が移転してきたとき植えられたのだろうか。その時建てられた建物の一部はまだ使われており、国の登録有形文化財に指定されている。正門前通りの桜の並木、そのレンガ風の古いがモダンな校舎に実にマッチしている。
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