「百日草昔の花になりにけり」

 
 私、アンクルの発行しているメールマガジン安曇野(あづみの)通信」2015/07/01より
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安曇野(あづみの)通信」2015/07/01(毎月1・15日発行

 ”みすずかる信濃北アルプスの麓、安曇野を中心に信濃の光と風、なつ
   かしきたべものたち、野の花、石仏、植物誌、そしてもろもろの考現学
   などエトセトラを、ユニークな(?)筆致でお届け!”ロマンとノスタ
ジーと安らぎと、心から心へのエッセイメールマガジンを....
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 花はどこへ・・? 「百日草昔の花になりにけり」

 DIYショップに立ち寄る。入口脇には園芸売り場。実にいろいろたくさんの
花が咲いていて、苗も売られている。買わなくても見て回って楽しめる。例え
サフィニア、ペニチュア、ミリオンベル、タピアン、インパーチェンス、コ
リウス、ポーチユラカなどなど。昨年の9月1日号で書いた、信州は安曇野
まれのサンパーチェンスもある。むろん昔なじみの日々草サルビアもある。
だがこれら園芸売り場や花壇の主な花々、30年、40年の昔には登場してい
なかったのではないか。

 私がこれはもう昔の花だなと思う花がある。花卉の世界もはやりすたりが
けっこう激しく、新しい花に押され、姿をめっきりあるいはほとんど見せなく
なった花々。田舎へ行ったときなどそれらを見つけ、ほっとすると同時に郷愁
さえ感ずることがある。

 以前、ふと立ち寄った古本屋で見た小学館の雑誌「サライ」でもそんな花の
特集をしていた。わかるだろうかそんな花々。花自体は少しも罪もないのにも
う時代に合わないのだろうか。花屋に苗を見かけることも少なくなり次第に忘
れられていく。そんなだんだんと忘れられていきつつある花々にしばらく思い
を寄せてみよう。

 例えば・・・。
 ダリア・どこの家の庭先や学校の歌壇で、秋の日差しに揺れていたあのポン
ポンダリア。
 きんせんか・もう彼岸の供花としか ..。今は仏花として生き残り。
 ほうせんか・きんせんか・ほうせんかと歌っていたものだ。
 百日草・どこにでも咲いていたものだが、この花の単純さ、古めかしさは
もう現代人にはマッチしないのだろうか。
 マーガレット・けっこう咲いているけど、もう古い花だと感じてしまう。マ
リゴールドも同じ感じだが
 ポンポンアスター・この花もそういえばよく咲いていたものだ。
 グラジオラス・最近切花として見直されているらしい。しかし、昔の古いタ
イプのものに比べ花色豊か。一茎にたくさんの花をつけるものが主流とか。
 けいとう・とりわけ昔ながらのとさかけいとうはなかなか見かけない。
 三色すみれ・今のものは単色のものの寄せ植えだ。パンジーは一つに三色有
るのが正解とか。そのほか、ひげなでしこ、金魚草、ひな菊、やぐるま草、千
日紅・おしろい花、カンナなど。

 秋に咲くききょうの種も園芸店ではもう手に入らないとか。また、ぜニあお
いや日本おだまきも園芸用として消えゆく草花という。また大輪のひまわりも
だんだん作られなくなっているらしい。
                 UNCLE TELL

                                                                                                                                          • -

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