東スポ 新党大地の参院選戦略をちゃんと報道する

まさかの“影武者作戦”を遂行した裏とは…。参院選投票日を2日後に控えた19日、歌手・松山千春(57)が新党大地の応援演説のため東京・浅草の雷門前に立った。
実は、松山が鈴木宗男新党大地代表(65)と雷門前で演説するのは午後3時からの予定だったが、それよりも数十分ほど早く、あの独特の松山節、そしてヒット曲を歌う声が鳴り響いている。
だがよく見ると、松山のモノマネ芸人・こんちはる(47)だった。本人ご登場の前に、声をからして集客活動に励んでいたのだ。キッチリと100人近くの聴衆を引き付けていたが、次の演説地の場所取りをしなければならないため、本人が来る前に移動した。
そして午後3時過ぎ、松山が姿を見せると、すっかり温まった聴衆から「千春〜」という声援が飛ぶ。聴衆の数も、こんちはるの時と比べて3倍ほどに膨れ上がった。
松山は消費税増税反対などを訴えた後「ただのハゲと思われている方もいるかもしれないので」とヒット曲「大空と大地の中で」の一節を熱唱。さらに「大阪で『(宗男から)ナンボもらってんの?』と言われた。もらってないって」などと聴衆を笑わせていた。
ところで、宗男代表の同姓同名候補や千春のモノマネ芸人の登場などお騒がせの同党は、昨年の衆院選で「所属国会議員5人以上」の政党要件を失い、政治団体へ格下げとなった。政党助成金が支給されないうえ、テレビや新聞では党名が明示されずに諸派扱いされ、党首討論にも呼ばれない。
この政党要件を回復させるには「議員5人以上」とは別に、直近の選挙で、有効得票数の2%以上の得票でも資格を満たす。前回の参院選では117万票がボーダーラインで、たとえ議席ゼロでも2%が取れれば“大勝利”となるのだ。
そこで同党は10人以上を擁立し、北海道と大阪の選挙区と同時に全国比例にも打って出ている。
供託金だけでも計6000万円かかっており、大勝負を仕掛けているだけに、同姓同名候補やニセ千春投入に批判が出るのも覚悟の上。新党大地の存在を周知させるためには、なりふり構っていられないというわけだ。

この選挙期間中に新党大地が「有効投票数の2%以上」を狙い行っている件を記事にしたのは北海道新聞ぐらいでした。