北の舞姫 芙蓉千里Ⅱ

相変わらず装丁が素晴らしいですな。少女大河小説の第2巻。1巻は芸妓を目指すに至る過程が、酔芙蓉を舞台に描かれていましたが、2巻はフミがハルビンでも評判の芸妓となってからの話。時代もどんどん流れて行ってます。演劇とかバレエとかを題材にした作品が好きなので、フミが踊りを極めていくこの2巻は非常に楽しかったです。しかし1巻のラストで山村を選ばなかったことにおどいた私ですが、2巻のラストでも驚かされました。前巻では山村派だったんですが、今巻は黒谷の登場場面が多く、すっかり黒谷派になってしまったところであの終わり方ですか。つくづく私とは正反対の選択をしてくれる主人公です。この潔さは『流血女神伝』のカリエに通じるところが。携帯サイトに掲載されていたものとはかなり違うようですので、今度は連載分もきちんとチェックしようかと思います。でも携帯で気軽に読めるような作品じゃないんじゃ……。こういう歴史が関係する作品を読むときいつも思うのんですが、もう少し世界史の知識を入れたほうがもっと楽しめるのだろうなあ。でも馬賊に関して言えば、以前読んだ『曙光の誓い』を思い出しながらだったので結構想像できた。