文を敲く

読書記録とその他雑記。

手法いろいろ -「多数決を疑う」

何かを決めるとき「多数決」が使われることが多い。「民意 = 多数決」であるかのような風潮も見られるが、多数決が必ずしも人々の意思を反映している訳ではないことを本書はしまえしている。たとえばA・B・Cという3つの選択肢から1つを選ぶとき、多数決ではAが選ばれても別の方式を使った場合はBが選ばれることもあるのだ。

本書は「社会的選択理論」の入門書だ。「多数決」の欠点だけではなく、それ以外の決定方法の利点欠点も端的に紹介されている。ページ数は多くは無いが、本書では得られた知見は予想以上に多かった。知的好奇心を満足させてくれる一冊である。