養老孟司 / 運のつき (マガジンハウス)



(これも語り下ろしの企画なので)『バカの壁』の二番煎じかな思っていたのだけれど、さにあらず。
敗戦と、学園紛争へのルサンチマンが養老的に炸裂し、人生の主題は「世間との折り合いをつけることでした」とまで言い切ってしまう。
養老孟司だから出せる本であるとも言えそうです。

中島らも / 心が雨漏りする日には (青春出版社)



欝病、躁欝病の罹患履歴。むろん書いているのが他ならぬ中島らもですから深刻でなくて、笑い転げながら読めるわけですが、罹患者(罹患という
言い方は正確ではないような気がする)はこの本を読めるのだろうか、などとしばし考えてみたり。