本日は初場所初日

 昨年末からいろいろとマスコミが騒がしい大相撲でありますが、本日から初場所
あります。当方はひいき力士が、今場所も引き続き休場(このあとの場所も、休場が
続くだろうとのことです。)で、まるで応援に力が入りません。
 相撲協会も組織でありますので、その運営でいくつかの考え方のリーダーがいて
当然でありますが、原理主義的な人もいるでしょうから、なかなか折り合いをつける
のは大変なようにも思えます。この先、どのようになっていくのでありましょうね。
 USAのプロ野球は、USAとしては国技の一つともいえるものですが、メジャーとか
ワールドを標榜するだけにビジネス面からもオープン化が著しく、まさに移民の国の
スポーツとなっています。日本からもこの舞台でチャレンジする選手がいて、彼らは
人種的な排斥をあまり受けることなく、チームに溶け込んでいるように思えます。
(昨年に、日本から渡って選手に人種差別的なしぐさをおくった選手は譴責処分と
なりましたです。)
 日本ではサッカーとかで、反レイシズムキャンペーンをやっていたりしますが、年
に数度は、応援の横幕に差別的表現が見られて、その都度、それを持ち込んだ当事者
には主催者が処分をくだすようになっています。
 それとくらべると、日本の相撲の世界は国技という美名のもと、レイシズムむき出
しのところがありますね。ただしい日本人として国家に認められない外国籍の力士は
引退後に相撲協会に残ることができないというのが、その一番わかりやすい例かもし
れません。
 もちろん、日本国内で考えれば、これはこれまでずっとそうでありますし、誰も異
議を唱えることはなかったのですから、いたって当たり前のことですが。
そこに、これに異議を唱える力士が出現したというのが、今回の騒動の一端であるよ
うに思います。
 これまでも朝鮮半島からの力士(古いところでは力道山か)などに、そうした問題
はあったのでしょうが、相撲界への影響力ということになれば、最近のモンゴル力士
たちは、日本の国技をあやうくしてしまうと考える人がいても、不思議なことでは
ありません。(今でも外国籍の受け入れ人数に制限はあるのですが。)
 このあと、外国籍力士の取り扱いはどうなっていくのかですが、相撲の国際化と
相撲協会の大相撲は別な話と切り分けることができるでしょうか。(柔道などは、
見事な国際化で、いまでは誰も日本のお家芸とはいわなくなっています。)
 そんなこんなことを思っていたところに、本日の朝日新聞書評欄です。

 この本を原武史さんがとりあげていました。この書評の書き出しには、「かって、
琉王という沖縄出身の力士がいた。1972年の沖縄返還後もしこ名を改めず、琉球の王
を自称し続けた。幕内の下位いいながら、ハワイ出身の高見山とともに、『日本人』
で占められた角界に完全と挑もうとしているように見えた。」とあります。
 琉王という力士は、名前のみ記憶に残っています。活躍した時代には、相撲にあま
り関心がなかったので、どのような力士であったかは承知していません。その時代は、
沖縄はいまだ占領下におかれていたのでありますね。
 この原さんの文章をみて、今場所も休んでいる力士のことを思いだします。かれは
父親が沖縄出身とかで、相撲に入門してからずっと本名をしこ名としていて、これが
ために沖縄ではたいへん人気があるように聞いておりました。
 再び、土俵に元気な姿を見せるのをひたすら待つのでありまする。