11.23〜29日記

11.23月
生ミュージカル『二十四の瞳ちゃん』の映像を出演陣&楽団メンバーでみんなで見ようの会が催され、東十条、Hさんち。到着したら、飯田さんと千絵ちゃんがエプロン&三角巾つけておかあさんごっこみたいにお料理していた。じわじわみんなが集まりだして、夕方4時から乾杯、お鍋を囲んで、瞳ちゃんの思い出話にふける。まだ1か月しか経ってないけど、もうすごく昔話のことのような気もする。瞳ちゃんは劇の中でも卑猥な言葉が飛び交いまくる愉快なお芝居やったけど、役者陣(特にドルショックさん千絵ちゃん参助さん)はお稽古の休憩中や楽屋でのメイク中も常にお下劣なトークで盛り上がっており、劇団メンス! と勝手に名付けていたのやけど、実は役者陣Hさんと楽団のYさん(どっちも見た目は非常に勇ましい感じの男性)は下ネタ全般が苦手やったということが発覚。まじごめんって気持ちになる。しかし今回の上映会はドルさん参助さんは来れなかったので、あんまりド下ネタで盛り上がりすぎることもなく程よい感じやった。ガレージのところの床にホットカーペットやこたつを出して、スクリーン垂らしてプロジェクターで映して、19時ぐらいから瞳ちゃん上映会。みんなで見ると、盛り上がる。みんな粒ぞろいのおもしろさやったけど、ドルショック竹下さんの存在感と歌が本当に圧倒的にかっこよくて惚れ惚れやった。飯田さんとわたしとの、前代未聞の直角お蒲団での濡れ場も、うわ〜客席から見たらこんなことなってたんか〜と爆笑。自分の芝居自体は全体的に恥ずかしくて見ちゃおれんわって感じやったけどでもみんなの芝居を見ていると改めて、奇跡のメンバーが集まったなあって思ったし、それになにより飯田さんの脚本がほんとにすばらしかったな〜としみじみ思った。飯田さんの書くセリフは、全く気取らず捌けた言葉使いなのにすごく詩的で、卑猥なワードがオンパレードなのに何故か気品があって、そしてあて書きの天才というか、その人物人物の胸の内を本人が気づかないレベルまで掘り下げて奥の方から出してきていて、だからわたしも、セリフをしゃべっていて自分の色んなことに気がついた。「朝も昼も夜も」は作ったのはもう3年前とかやけど、実はこの曲は母親への曲やったんかもしれないって、瞳ちゃんに教えられた感じ。間奏でドルさんのセリフが絡んできて、そこから楽団の演奏が入っていく感じとか、アレンジもすばらしくて、歌いながらまじ感極まっていた。ラストのみんなで合唱する歌も、改めて名曲やな〜と思った(こちらは飯田さん作詞、竹田さん作曲)。あー瞳ちゃん、今年のたのしい秋の思い出でした。

11.24火
実は新アルバム『わたしのライオン』のリリース情報解禁日が今日、ということになっていて、しかし当日になってもくだんのH澤氏からは一向にプレスリリースの文章が送られてこない。わたしは朝から、いつでも対応できるように労働中もことあるごとにアイホンみてるのに、結局夕方仕事あがってもまだで、まだですか?と連絡したらようやく送られてきた、のやけどなんか日本語がめちゃくちゃでさすがにこんな文章を各媒体に送られたんでは誤解されるやろうし、むりむり、どうするん!? てなってプロデューサーの中村さんと電話会議。そしたら色んな情報が、わたしは当然H澤さんを介してプロデューサーに通ってるんであろうと思っていた色んな情報が、全く伝わっていなくて、あれ? うそーまじで!? てなりまくりで、しかしまあさすがH澤氏、またしてもやらかしてくれるわ〜て感じ。そして、ここにきてアルバムタイトルを考え直すことになり、一晩悩みまくる。当然情報解禁は明日に持ち越し。H澤氏の仕事に期待していたわたしがアホやった。ディレクション業務全般、何も信じて任せられない! だからわたしが全部把握して考えてプロデューサーと連絡とりあってがんばらねばならない! あれっおかしくね? わたし、こういうレーベル業務がしんどいから、自主レーベルわらびすこ舎おやすみして、プロに任せようと思ってH澤氏のなりすレコードにお任せしたはずやのに、結局わたし、自分でいろいろやらなあかんの? おかしくね? とか怒りが爆発して深夜家で気が狂いそうになる。でも怒ってる場合ではなく、タイトルを考えねばならない。しかし怒り狂って今後の段取りを心配して考えてる脳みそでは良きタイトルなんて浮かぶわけないやんけ! ウンコ!

11.25水
情報解禁に向けて、わたしの公式サイトにも情報載せてもらって写真も一新してもらわなあかんので、びすこ舎副舎長に連絡したり、PVのことや、色々を色んな方面に連絡連絡連絡業務、アー写も最初に決めていたやつとは別のを使用することになったので、I川R夫さんにもそういう報告、そして24日に情報解禁なるっすーと伝えていたバンドメンバーとかいろんな周りの方々に、すみませんが遅れております、と謝罪の連絡。あーーーー! そんなことをしながら脳みそはタイトルを考えまくる。プロデューサーに浮かんだやつをメールしまくるも、暗い、卑屈、と悉くばっさり否定されて心もばきばき。だって、、、わたしから卑屈をとったら何が残るねん……? でも、あれやな、一般的な健全なメンタルをお持ちの男性は、卑屈な女って大嫌いやよな。そら、そういうタイトルをつけちゃうと、健全な方々を最初から排除することになるから、あかんのよな、、、そして色々と脳みそしぼって案をだしまくったのやけど結局、このアルバムのリード曲となる「わたしのライオン」をそのままアルバムタイトルにするのでいいんじゃない? とプロデューサーに言われ、ノーといえない日本人のわたしは、そうっすね〜と同意。てことでタイトルは決まった。さあて、もうさすがにH澤氏、プレスリリース文書いたやろう、書けたやろう、って聞くと、実はPCのモニターが壊れたので書けませんでした、今友人にモニターを借りに行ってます、と謎の返しが返ってきた! はーーーーー???? 文章考えるなんて、紙とえんぴつあればできるし、漫画喫茶いけばパソコンあるねんからそこでパソコンで打って送信すればええやんけ。なんでパソコン直すところからやってるの? しかもこの、切羽詰まった状況の中で! この人やっぱり狂ってるわ……。パソコンが直ったのがもう夜。今日中には解禁するて一応なってたので、せーので解禁できるよう、わたしは副舎長もずっとパソコンの前に座らせて待たせている状態なわけなのやけど、H澤氏が文章をあげてこないことには何も進まない。結局日付が変わってかけませんでした、と言われる。もう色々と信じられない。この人なんなの? 副舎長にもまじごめんって謝罪。ということでまた情報解禁は順延されました。そんな感じで、申し訳ないやら腹立つやらでメンタルがめちゃくちゃになっている最中に、関係ないところでドメスティック問題もまたこじれてその波が届いてて、気が狂いそうになる第二夜。あー一層のこと、キチガイになってどの方面にも罵詈雑言を吐き散らして、傍若無人に振る舞って、誰にも一切謝らないって次元の人間になれたら、さぞかし楽ちんなのやろうな! アーティストってそれでも許されてたりするやん? しかし気のちっさいわたしはそういう振る舞い方が絶対出来ない。悲しいかな、誰よりも常識人で、人を不快にさせてはならぬっと常日頃から考えてしまうタイプの人間です。あーつらい。でも副舎長やアートディレクションの市川力夫さんがすごくわたしのそういう部分もわかって励ましてくれてたいへん救われました。

11.26木
さあさあ、もう今日やで、今日中にはあげてくれやんと、ていうかあんな数行の文章を書くだけで、なんでそんな時間がかかるのかわたしにはさっぱりわからないのやけど、お昼までには書きますといってたのやけど、当然お昼すぎても届かない。わたしは、これはすべての領域においてなのやけど、時間を守らないやつが本当に嫌い! だから二日も引き伸ばしといてまた約束の時間を平気で踏み倒しやがる、このH澤氏の精神構造まじでどないなってるねんって思うレベルで怒り狂っている。約束の時間は過ぎたけどミヤネ屋やってるくらいに時間にやっとこさプレスリリース文が送られてきた。さぞかし力作の、すばらしい文章がくるんかなって期待はまあ最初からなかったけど、これだけを書くのになんで二日もかかったのか、理解が出来ない。しかも二日前にプロデューサーからの添削で直しが入ってた部分も直っていないし、バンドの英語のスペルも間違っている。そういう添削業務を、またまたプロデューサーとわたしでやって、夕方にようやく完成。あー疲れた、本当に疲れた、こんなに疲れるものなんやろうか、音楽を作る以外の領域でこんなに疲労困憊するなんて。。。と満身創痍の状態で、新アルバム発売の告知解禁。ツイッターでみんながどんどんRTしてくれて、ナタリーとかもすぐニュースにしてくれたみたいで、みなさま本当にありがとうございます。そんなこんなで北村早樹子5枚目のアルバム『わたしのライオン』が、来年1月27日に発売決まりました。中村宗一郎さんをプロデューサーに迎え、長らくコンプレックスやったバンドアレンジにも挑んでおります。どうか、どうぞ、よろしくお願いいたします!

11.27金
はー疲れたもうくったくたって感じで出勤して、労働。しかし労働は肉体的には疲れるけど、それ以外の部分ではわりと無になっているので、無になっていてもつとまるので、なんと楽ちんな業務やろうって改めておもってしまった。労働先ではわたしはわたしでなくってもいい、わたしである責任をとらなくていいので(業務上の責任はとるけど)、9時間、身体は疲れるけど脳みそ&心は至って平穏で健康的。ど下ネタばかりふってくる某同僚(40代男性)が今日で異動になるので最後やったけど最後の最後まで、ご自分の過去の性事情を事細かに披露してくれて、たのしく仕事終えれた。

11.28土
12時飯田華子ちゃんと駅で待ち合わせして、ふたりでゲーセンへ行き、プリクラを撮るというプレイを敢行。そう、わたしは諸事情から某番組の企画でイメチェンしてしまうので、この15年貫いてきた自分切りのおかっぱスタイルとも今週でお別れ。だから最後に思い出にプリクラ撮ろうよ〜っと仲良しの飯田さんが言ってくれて、撮りに行った。わたしは世代的にたぶんプリクラ全盛期に青春をすごしてるはずなんやけど、友達薄弱なわたしは中高校生のときに片手で数える程度撮ったことあるかなって程度やったので、昨今のプリクラのメカとしての機能に色々とついていけなくてびびる。でも飯田さんときゃっきゃとはしゃぎながら撮影。すっごいアホみたいなのが撮れて満足。その後、PVの打ち合わせを我が家でやる。今回PVは飯田さんが撮ってくれるんである。家でまじめに色々と相談し、一通りはなしまとまった時点で、よし、仕事はここまでっさっ飲もう! てなってコンビニへお酒を買いに行く(わたしはジュース)我が家で結局8時前まで話し込み、超々たのしい時間を過ごした。飯田さんとは何時間一緒にいてもしんどくならないし、話が尽きない。なんか色々あった今年やけど、公私ともども一緒に色々やりまくっているので、わたしの中の今年を象徴する二文字は「飯田」に決定。

11.29日
おひるに日暮里へ、森下くるみさんが主演されている『ファンドとリス』ってお芝居を見に行く。最初、白いワンピースで風船もってにこにこ笑って出てきたくるみさんは、いたいけな少女のようで神懸った可愛さやった。でもそのあとはわりと身体をはった大変なお芝居をされており、精神的にややこしい男子と真正面から対峙して苦しむ女の叫びがすごい生々しく響いてウッとなった。拷問にかけられるバイオリン弾きの役者さんがすごく素敵やった。終わってちょっとだけくるみさんにご挨拶して、マッハで柴崎のピースミュージックへ。飯田さんとわたしとプロデューサー中村さんで緊急PV会議。中村さんがおもしろ提案をたくさんしてくれて、ロケ地まで確保してくれて感激。3人で色々盛り上がって、よしっこれは絶対おもしろいPVになるわ〜と確信。飯田さんはスナックの仕事があるので途中でお別れして、わたしは居残りで中村さんと今後の動きのミーチング。なぜか一緒にわたしの先日のアウト×デラックスの動画を見る流れになって、一緒に見て冷や汗を流したりしつつ、今後の動きもちょっと光が見えだしてホッ。帰って夜にまたH澤氏に電話して本日の報告やいまやっていただきたい業務などを説明し、なんでいちいちこうやってディレクションをしているレーベル主に、本来アーティスト側であるわたしが段取りの指示を発注、みたいな関係性なってるの? て思いながら、もう何を期待してもあかんから怒り狂うのんもやめよってなるべく平静を装って一日を終えた。


☆北村読み物メールマガジン【北村早樹子の「そんなに不幸が嫌かよ!」】、毎月月末に配信で、今月は本日の夜に配信されます。無料です。エッセイや読書日記などが読めます。登録はこちら、創刊号からのバックナンバーも読めます→http://www.mag2.com/m/0001664038.html