すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

算盤

 最近では算盤を使って計算している人を滅多に見かけなくなった。いや、そもそも算盤その物さえ見なくなった。私が小学生の頃は近所に算盤道場が有ったので毎日のように通い、商工議所主催の珠算検定3級の免状まで戴いたのであるが、今では珠算塾をやっている所も滅多に無い。当時はそれこそそこら中に有った。商業高校を卒業する者は商業簿記3級、算盤3級が必須だと言われたものだからである。今、当地柏崎市に珠算塾は果たして何件有るか?たまたま私の友人の奥さんが自宅でやっておられるが、これとても生徒さんはかなり少なくなったに違いない。

 電卓やパソコンの普及で事務の現場から算盤が消えて久しいが、考えてみれば算盤は指先を使うからボケ防止には持って来いだったのである。しかしどうしても世の中は便利な方にシフトする。事務の現場ではパソコンの表計算を使えば正確に帳簿が処理できるし、特別な算盤の腕前もいらない。

 まさかこんな時代がやってこようとは思わなかったが、さりとて算盤は不要なものかと言うと、どうもそうじゃないような気がする。これは子供時代に頭の発達を促す重大な道具のように思われるのだ。パソコンばかり使っていると漢字を忘れるように、表計算ソフトや電卓に任せていると著しく計算能力が落ちてしまうような気がしてならない。発展途上国の小学校などで算盤が持てはやされる理由がここにある。

 とは言え日本では余り見られなくなったが、教育現場においてはどうだろう。昔は必ず算盤の時間があって稽古したものだが…。今ではパソコンの授業となり表計算ソフトの使い方などを教えているのではないだろうか。また算盤その物も今では決して安くは変えない。電卓なら100円ショップでも買えるが、算盤は百円ショップではさすがに買えないだろう。

 技術の進歩は道具の歴史が変わる事でもある。電卓やパソコンの登場で算盤を使いこなす技術は全くいらなくなってしまった。今、算盤の灯が消えようとしているが、果たしてそれでいいのかという疑問もある。せっかく先人が伝えた技術が今の世代で途切れてしまうのではないか? それも時代の流れと言ったら仕方のないことかもしれないが、習った者の一人として後世に伝えて貰えたらなと思う。