キャンディキャンディ 裁判の顛末


レビューというより、著作権裁判の顛末です。

1997年、原作者の水木杏子名木田恵子)氏と漫画化したいがらしゆみこ氏の間で著作権の所在が、裁判で争われました。

1995年、いがらし氏と日本アニメーションがキャンディキャンディのリメイクを企画。そのため、講談社東映アニメーションとの契約を解除しました。しかし、原作者の水木氏がキャンディキャンディはすでに終わった作品として、リメイクを断りました。同年、水木氏といがらし氏は著作権にかんする契約を結び、二次利用や商品化は双方の同意が必要としています。
97年にいがらし氏が倉敷市の「いがらしゆみこ美術館」で多数のキャラクター商品を発売、通販でも版画を発売。更に、いがらしゆみこのみの著作権表示をした菓子を発売しました。すべて、水木氏の了解を取りませんでした。

水木氏はいがらし氏が契約違反によるキャラクター無断使用を訴えましたが、いがらし氏は水木氏に著作権がないと主張しました。

2001年、最高裁で出た結論は水木氏の原作が一次著作物であり、いがらし氏のマンガなどは二次的著作物という位置付けと結論されました。

それにより、いがらし氏が作画したマンガを二次利用したアニメや映画の放映、キャラクターグッズの販売は水木氏、いがらし氏の両方の許諾が必要であり、水木氏の原作のみをもとにした新作や再マンガ化は水木氏の許諾のみで可能となりました。

実際、マンガの連載、アニメ化にあたって、出版社の講談社はその通りの処理をしていました。


講談社の単行本は最高裁判決後、水木氏と講談社との話し合いにより契約解除・絶版となりました。中央公論社の出していた文庫本も99年に絶版になっています。

東映アニメーション講談社から許諾されていた著作権の二次使用権も失効となり、アニメの再放送、ビデオ・DVD化も不可能となっています。

東映アニメーションから要請があれば、水木氏、いがらし氏ともに許諾すると言っています。しかし、いがらし氏は今も水木氏の著作権を否定しています。更に、過去に東映アニメーションの商標権を侵害してキャラクター商品を多数販売しており、その謝罪のないうちは東映アニメーションとの関係正常化も不可能でしょう。

以前は東映との関係が深いメーカーからキャンディキャンディのランチボックスが発売されていましたが、ある時、キャラクター商品に強いメーカーに変更されました。その頃、聞いた話です。

結局、一番迷惑しているのは、キャンディキャンディのファンですよね。
再放送も見れないし、DVDもマンガも買えない。

著作権は重要ですが、もっとファンのことを考えてほしいです。